まさに“SNSドリーム”。ルイ・ヴィトンを動かした、13歳の少年のイラストとは

これまで多くの著名なデザイナーを取り込み、ブランドの歴史を刻んできた「ルイ・ヴィトン」。

ブランドのインターンに最近参加した13歳の少年が、ファッション業界に新たな旋風を巻き起こす“世界的デザイナーの卵”になるかもしれない。

きっかけは一本の投稿から

ことの始まりは11月。パリに住む少年ミランくんが描いたドローイングが、母親によってSNSに投稿されたことだった。

「Bonjour @LouisVuitton」とタグ付けし、モノグラムが配された自作のスニーカーやヒール、ブランドから強くインスパイアされたルックのスケッチとともに、彼のルイ・ヴィトンに対する羨望の思いが綴られている。

© X / LouiseOdessa

「私は13歳の息子ミランのインターンシップ先を見つけなければいけません……それも、どのメゾンでもいいわけじゃない。」

「彼がサマリテーヌ(百貨店)の向かいでのあなたの展覧会を紹介してくれた日ほど、彼が魅了されていたのを見たことがありません。彼はルイ・ヴィトンのパートナーシップや歴史について本当によく知っていました。」

最後に、「彼に1週間の短期研修をさせてもらえませんか?12月14日は彼の誕生日なのです。」と締めくくった。

この投稿は人々の注目を集め、多くのリポストやいいね、応援コメントを獲得した。13歳の若き才能が、世間の知るところとなったのだ。

さて、夢への第一歩を踏み出した少年だが、物語はここで終わらない。

盛り上がりに拍車をかけたのは、フランスのテレビ局に勤めるジャーナリストMarie Gentricだ。

彼の才能とSNSでの反響をいち早く察知したMarieは、ミランくんへのインタビューを決行。フランスの全国チャンネル『BFM TV』で放送されることに。

以下が、そのときの映像だ。

© X / MarieGentric

「たくさんの人が認めてくれて、ルイ・ヴィトンに働きかけようとしてくれているのを見て嬉しかった。最終的な目標に向かって少しずつ進み始めたと思えて感動している。」ミランくんは語った。

さらに番組では、Xでは明かされなかった、インターンシップを望んだ“もうひとつの理由”にも言及された。

それは、ミランくんがADHD(注意欠如・多動症)を抱えており、そのせいで学校で授業に集中するのがあまり得意ではないということ。

「自分のやりたいと思うことを伸ばして、実行していきたいと思っている」と夢に対する思いを話す。内に秘めたブランドへの情熱が、全国へと届けられた瞬間だった。

SNSとテレビの力で
ついにルイ・ヴィトンに思いが届く!

後日、再び同チャンネルでミランくんの話題が取り上げられた。

前回の放送から数日後、なんと正式に、ルイ・ヴィトンからインターンシップのオファーがきていた!

すでにプログラムに参加し始めたというミランくん、現場で感じた大きな感動が語られた。

© X / BFMTV

「インターンシップの初日になって受付についた時、ようやく“自分はここに着いたんだ”って実感した。」「……僕にとって学校のような場所。まだたった二日間だけど、学校にいるよりもずっと心地よかった。」

プログラムの具体的な内容は明かされなかったものの、本気で夢中になれる、彼に合った環境であったことは確かなようだ。

「本当に魔法みたい。僕の人生が変わり始めている。」と話すミランくん。母親の投稿、Marie氏の取材、そしてSNSの応援……いくつものチャンスが連鎖して、夢が現実となったのだ。

子どもにとって、学校に行くことはもちろん大切かもしれない。しかし、必ずしも誰もが同じ場所でうまくいくわけではない。

だからこそ「今ある環境だけが唯一の居場所だ」と縛り付ける必要はないはず。

学校が苦手な男の子だって、きっかけさえあれば「ファッションデザイナーの卵」になれたのだから。

Top image: © Thitidapha Thabthim/Shutterstock.com
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。