チームラボのメガプロジェクト「teamLab Phenomena Abu Dhabi」が完成間近!
昨年末、「チームラボ」がアブダビ文化観光局らと共に推し進めている大規模アートプロジェクト、「teamLab Phenomena Abu Dhabi」の完成度が70%に達したことが発表された。
これは、総床面積1万7000平方メートルに及ぶラボ屈指の大規模プロジェクトで、アブダビの文化中心地であるサディヤットにて建設されている。
チームラボのアートコンセプトである「Environmental Phenomena(環境現象)」がテーマとして掲げられており、彼らの表現を総括するような、卓越したアート体験を創り出す場所とされている。
本館最大の特徴は、ここに置かれる作品は単体では存在せず、周囲の環境や、それがもたらす現象によってはじめて形作られるということ。
空気や水、光などが環境に作用することで、それらは特異な現象へ変化する。この“現象の連続”こそが、Phenomenaで展示したい存在、つまり「アート」であるようだ。
ここで、チームラボの意味深なコメントを見てみよう。
「石ころは、外界から遮断され密封された箱に入れても存在し続けますが、生命は、そのような閉じた箱に入れられると存在を維持できません。 生命もまた、環境によってつくられている存在なのです。生命は、開いた世界の中で、連続する流れの中に生まれる奇跡的な現象なのかもしれません。」
哲学的でやや難解だが、要は「環境や現象を取り込んで初めて完成する“究極の環境芸術”を作りたい」というような話。
リリース文には、「作品自体が壊されても環境が維持されればその存在は保たれるし、逆に、環境が壊されれば作品の存在は消えてしまう」との記述もあり、生命や物質の存在自体を見直すコンセプトを感じさせる。
具体例はまだ発表されていないが、チームラボの集大成と言えるような、斬新でインタラクティブな作品が期待できそうだ。
彼らが織りなすアート体験が、私たちと環境現象を繋ぐ架け橋になろうとしていることが伺える。
ドイツ、北京、ユトレヒトなど、ユニークなアート体験を世界に広げ続けるチームラボ。アブダビの竣工は2024年を予定しているそうだが、今からもう待ちきれない……!