結構知られていない、命に係わる話。「AAA」について

ちょっとの手間を進言、ケアできたら、大切な人を失うことなんてなかったかもしれない──。そんなことを教えてくれる取り組みである、腹部エコー検査の受診者増加を図るプロジェクト「見逃さない!STOP AAA(トリプルエー)」が先日よりスタートした。

「AAA」って?

血管に関わる病のひとつで、お腹部分を通る太い血管=大動脈に“こぶ”ができる症状が「腹部大動脈瘤」であり、頭文字から「AAA(=Abdominal Aortic Aneurysm)」と表記している。

腹部大動脈瘤は自覚症状がほとんどないまま進行し、ある日突如として破裂する恐れがあるといわれ、手術も受けられないまま亡くなる場合もある。

© 2024 W. L. Gore & Associates,inc./日本ゴア合同会社

そんな突然死を招くAAAを防ぐための早期発見と予防として期待されるのが、腹部エコー検査だ。検査のメリットをあげると、検査精度が高く、安価で治療による身体への負担(切開や切除など)もなし、放射線被曝もないとのこと。検査の受診機会を増やすことで、早期発見の可能性が高くなるそうだ。

定期健診での発見率20%の低さ

もしも、知らないまま破裂した場合の死亡率は約7割と高いもので、国内で年間約3千人が亡くなっているのが腹部大動脈瘤の現状だそう。

プロジェクトを進める医療機器などのメーカー「日本ゴア」によると、65歳以上で、男性、高血圧、喫煙歴、家族歴がある人はそのリスクがあるという。リスクが高まる年齢からも年一回の健康診断を就業先の会社で受けさせてもらえる世代では、早期にみつかることが少ないようで実際に定期健診での発見率はわずか20%とも。

高齢化が進む日本において、腹部エコー検査の受診機会を増やすことから早期発見の可能性を高めるのは課題にもなっている。

まずプロジェクトへの興味から

今月3日に名古屋で発足式を行い、啓発プロジェクトをスタートした「見逃さない!STOP AAA」では、まず愛知エリアを拠点に銭湯での啓発うちわや冊子の配布、孫世代からのヒントを促す取り組みなども展開している。

© 2024 W. L. Gore & Associates,inc./日本ゴア合同会社
© 2024 W. L. Gore & Associates,inc./日本ゴア合同会社

若年世代にとって自分ごと化するにはピンとこないかもしれない。だが、少しでも命を助ける活動に興味をもつこと、知ることだけでも社会への貢献になることもある。親や祖父母など含めた、大事にしたい方たち自身が気づいていないことにケアをしてあげられるのも、未来を動かす主役たちの務めだったりするのでは?

Top image: © 2024 W. L. Gore & Associates,inc./日本ゴア合同会社
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