ドバイ、世界一環境にやさしいハイウェイの建設を計画中
地球環境が悪化し、持続可能な社会の実現が急がれる昨今。そんな危機的な現状を改善するにあたり、ドバイのサステナブルな計画が良いお手本となるかもしれない。
世界一環境にやさしい高速道路
ドバイが「The Dubai Green Spine project」という計画で目指しているのは、世界一環境にやさしいハイウェイの建設だ。「E311」という主要道路を、全長64キロメートルのサステナブルな道路にするらしい。
具体的にどうするのかというと、自動車への依存を減らしてより持続可能な交通手段へと移行するとのこと。歩行者用道路やサイクリングコース、路面電車を整備して自動車と交通渋滞を減らすことで、二酸化炭素の排出量を削減するという。
また、再生可能エネルギーで電力を賄えるようにするため、ハイウェイの広範囲にソーラーパネルを設置予定。これにより300メガワット以上のエネルギーを生成できるそうで、約13万世帯分の電力をカバーできるとか。
同計画が成功すれば、CO2の排出量を年間約100万トン削減できる計算に。気候変動や大気汚染の抑止と改善も期待できるという。
プロジェクトの中心にあるのは「人」
「The Dubai Green Spine project」の狙いは、交通手段のサステナ化だけではない。真の目的は、ドバイで暮らす人々の生活の向上だ。というのも、ドバイの都市人口は今後10〜20年で約800万人にまで増加すると予測されている。ドバイという都市をより住みやすく活気に満ちたコミュニティにするため、ハイウェイを多機能な公共空間に変えるという。
例えば、ハイウェイに沿って公園を作ることで、地域社会の交流を促進させることで、市民は積極的に外出しやすくなり、健康維持の効果も期待できるという算段だ。
また、ハイウェイ上に商業施設やレジャースペース、さらには垂直型の農場もオープンする予定だそう。利便性を向上させ、コミュニティ内での交流も活発化させることで、QOLの大幅な向上を目指すという。
「The Dubai Green Spine project」は、ドバイにおける環境問題の改善と市民の生活向上を目的としているが、長期的には世界を視野に入れている。世界中の都市開発のモデルとなり、リーダーとしてサステナブルな都市計画の促進を目指す。
サステナブルなハイウェイは、世界が進むべき道となるのかもしれない。