お気に入りの小説を纏う、文学とネイルの新感覚コラボ

お気に入りの本に出会ったとき、その世界観にどっぷり浸りたいと思うことがあるはずです。なんなら作品を丸ごと身にまとうくらいに。そんな読書愛好家たちの“夢”を実現する、新しい試みを紹介します。

指先に「文学」をまとう
ネイルポリッシュ

©日本出版販売株式会社

「文喫」と台湾発ペンネイルブランド「et seq.(エセク)」によるコラボレーションで実現したのは、日本文学をモチーフとした羽根ペンネイルポリッシュ「文学を纏うネイル」シリーズ。羽根ペンとは、その名の通りガチョウやアヒルといった水鳥の抜けた羽根をペンとして用いた筆記具です。

そこから着想を得たこの羽根ペンネイルポリッシュは、たんなるネイルアートにとどまらず、お気に入りの文学作品を指先に閉じ込め、新たな読書体験を提供するもの。大好きな作品の世界観にいっそう引き込まれるのではないでしょうか。

ちなみに、ブランド名のet seq.とは、「以下参照」を意味するラテン語だそう。過去の文学作品を参照し、それぞれの作品にぴったりな色味に仕上げているそうですよ。

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さて、第5弾となるコラボシリーズ。今回は小説家・森見登美彦氏の世界観をネイルカラーに落とし込んでいきました。森見作品の不思議でユーモラスな世界や登場人物たちの「愛すべきひねくれ具合」をテーマにクリアでポップな色合いに“くすみ”を加えて個性を出したそうです。

たとえば、代表作『夜は短し歩けよ乙女』よりイメージした色は、オモチロイ出会いに上気した頬のごとく仄かな乙女色に、オーロラの乱切りホロ。『ペンギン・ハイウェイ』からはたくさんの不思議を内包している〈海〉と少年たちの真夏の紺碧。『宵山万華鏡』からは「祭り」とは切っても切れない、目が眩むような鮮やかな京緋色……といった具合に。

作品を読み解き、その本質をネイルカラーに昇華させることは、まるで作品の世界に入り込んだような感覚を味わうことができるのかもしれませんね。

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大好きな作品にどこまで入り込むかは人それぞれだとしても、その世界観を身にまとうことはどこかで作品との接点を持ち続けたいというファンの心理を巧く捉えているなと感心してしまいます。

ネイルと文学的美学の融合──。一見なんの脈絡もなさそうな異業種コラボですが、それぞれのファンを結びつけることで、新たな市場が開拓されていくかもしれませんね。

ところで、「文喫 六本木」「文喫 栄」では8月5日より、企画展「『指先に文学を纏う』展 -森見登美彦-」が開催中。ネイルの先行発売のほか、森見作品の魅力を表現した本の展示も行われているそうです。森見ファンのみならず、こちらも覗いてみては?

『指先に文学を纏う』展-森見登美彦-

【場所】「文喫 六本木」無料エリア
【会期】2024年8月5日~2024年9月6日
【店舗公式サイト】https://bunkitsu.jp/

【場所】「文喫 栄」企画・POP UPスペース
【会期】2024年8月5日~2024年9月6日
【店舗公式サイト】https://sakae.bunkitsu.jp/

Top image: © 日本出版販売株式会社
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