続きは図書館で。NYの地下鉄にバーチャルライブラリーが出現

車体全面を広告でデコレーションした、ラッピング車両というのがありますが、現在、ニューヨークの地下を走るこの車両は、ある別の目的でラッピングを施したもの。市民の交通の足をバーチャル図書館にしてしまおうという企画です。

借りに行かずとも本が読める

NY市内の3つの図書館とMTA(メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティー)によるこの期間限定イベント。MTAが地下鉄内で提供している無料Wi-Fiに接続すると、すべての電子書籍が無料で読めるという仕組みで、数年前に広告を学ぶ学生たちのアイデアで始まったのだそう。

車内の壁面、ドア、イスにいたるまで、びっしり貼られたフィルムはすべて本棚を模したもの。まさに“走る図書館”。ご丁寧に木製のイスや天井の照明までプリントされていて、しっかり作り込まれているのがわかります。

ジャンルは、ラブストーリーからノンフィクション、ファンタジーなどなど。

それでも、どんなに面白い本だとしても、目的地に着いてしまえばそこまで。ということで、長編小説の場合は1駅、2駅でもライトに読みきれるよう、チャプター構成にしてある親切っぷり

だけど、本当に続きが気になる人たちの終着点は、やっぱり地上の図書館ですよね。

活字ばなれに一石を投じる
遠回りしたくなるアイデア

オンライン書店や電子書籍が普及したとはいえ、活字離れはここNYでも深刻な問題のようです。そうした現状を鑑みて、「Wi-Fiが新しい地域に広まるのと同じように、本を読むことで自分の知識を広めて欲しい」と、NY州知事アンドリュー・クオモ。

あと一駅!なんてちょっと遠回りして目的地に向かう人が増えたりして。

Licensed material used with permission by The New York Public Library
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。