YouTube Shorts、3分動画で「スマホ映画」時代到来か？

かつて「YouTube」が絶対的な地位を築いていた長尺動画の世界に、TikTokという“黒船”が到来してから久しい。1分以内のショート動画という新たな戦場は、今やInstagram リールも参入し、群雄割拠の様相を呈している。

そんななか、YouTube Shortsは動画時間の大幅延長という新たな一手に出た。これは、ショート動画の概念を覆す新たな時代の幕開けとなるかもしれない……！

米メディア「Mashable」によると、YouTube Shortsは動画時間を従来の60秒から3分へと大幅に拡大するという。

変更の背景はクリエイターからの要望が大きいとされているが、これには単なる時間延長にとどまらないYouTubeの戦略が透けて見える。TikTokが最大10分、Instagramリールが最大90秒と、競合プラットフォームが次々と動画時間を拡大するなかで、同社も差別化を図る必要に迫られていたようだ。

また、3分という時間は視聴者の集中力を維持しつつ、より深みのあるストーリーを展開できる絶妙なバランスポイント。これをポジティブに捉えれば、今後ドラマやコメディ、ドキュメンタリーなど、まるで「スマホで観るショートフィルム」のような作品が登場する可能性も高い。

料理レシピ動画であれば、材料の紹介から完成までをより分かりやすく解説できるし、メイク動画であれば、使用感を交えながらより詳細な手順を伝えることができるだろう。クリエイターにとっては表現の幅を広げるチャンスであり、私たち視聴者にとってはより質の高いエンタメに触れることができるようになる。

3分という新たなキャンバスを手に、クリエイターたちは今後どんな世界を描いていくのだろうか？