イギリスを襲った未曾有の「鳥インフルエンザ」被害。政府の強硬姿勢に人々は困惑

世界中で「鳥インフルエンザ」の流行が深刻化するなか、イギリスではペットのニワトリの飼育登録を義務化するという政策がスタートした。かわいいペットを守るため、そして私たち自身の生活を守るための新しい時代の波なのかもしれない。

「ニワトリ飼育の登録義務化」という選択

2021年10月から今年2月までの期間に、イギリスでは過去最大規模の鳥インフルエンザが発生。「BBC」の報道によると、確認された感染件数は360件を超え、その被害は甚大。数百万羽という想像を絶する数の鳥たちが、この感染症によって殺処分を受けたという。

未曾有の事態を受け、イギリス政府が打ち出した対策。それは、ペットとしてニワトリを飼育するすべての人に対して、政府への登録を義務付けるというものだった。登録を怠った場合は高額な罰金、場合によっては懲役刑が科される可能性もあるとのこと。政府関係者は「いかなる罰則も妥当な範囲内である」と強調する一方で、飼育者からは戸惑いの声も上がっている。

大規模養鶏場を経営するジェームズ・ポーター氏は取材に対し、「登録は絶対に必要だ」と断言。彼は徹底したバイオセキュリティ対策によって自らの鶏を守ってきたが、それでも安心できないのが鳥インフルエンザという脅威な存在。

いっぽう、ペットとしてニワトリを飼育する人々からは、「そこまで厳しくする必要があるのか」という疑問の声も。6羽の保護鶏を飼育するレイ・ホームズ氏は「野生動物も空を飛んでいる。何が落ちてくるかは分からない」と、規制の難しさについて言及した。

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ペットを飼育する際は、それがどんな動物であっても感染症リスクについて正しい知識を身につけることが重要になる。今回のイギリスの事例は、私たちに「動物と安全に共存していくために、何が必要なのか」をあらためて問いかけているのではないだろうか。

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