Z世代、解雇ラッシュの現実。欧米企業が突きつける「使えない」の烙印
「最近の若者は……」という言葉が世代を超えて繰り返されてきたように、職場における世代間ギャップは常に議論の的となってきた。そして今、新たな時代の波に乗り、社会に一歩踏み出したZ世代と、彼らを迎え入れる企業側との間で、新たな軋轢が生じている。
企業が突きつける
「Z世代は使えない」という現実
欧州メディア「Euronews Next」が衝撃的なレポートを発表した。なんでも、企業が採用したZ世代の社員を短期間で解雇するケースが増加しているという。教育およびキャリアアドバイザリープラットフォーム「Intelligent社」が行った調査によると、実に6割もの企業が、今年採用した大卒の新入社員を解雇した経験があると回答。
「モチベーションや主体性がない」「プロ意識が低い」「コミュニケーション能力が低い」…… 企業側からは、こんな厳しい意見が突き付けられている。
Z世代のキャリア観とズレる
企業側の期待
Z世代は「権利意識が強く、すぐに傷つく」というイメージが先行し、企業側が採用を躊躇する傾向も強まっていると分析するのはEuronews。事実、Intelligent社の調査でも、採用担当者の6人に1人が、Z世代のそうした評判から採用をためらった経験があると回答しているという。
なぜ、このようなミスマッチが起こってしまうのだろうか?
カリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院のHolly Schroth上級講師は、Euronewsの取材に対し、Z世代は就職活動で重視される実務経験よりも、大学進学に有利な課外活動に注力する傾向があると指摘。「顧客や同僚との適切なコミュニケーションや、職場における基本的なエチケットが身についていないケースも見られる」と述べている。
「個」を活かす時代の到来──
柔軟性と成長、未来への鍵
Z世代に対する企業側の課題が浮き彫りになるいっぽうで、彼ら自身もまた、従来の画一的な働き方や価値観に疑問を抱き、「個」を尊重する働き方を求める傾向が強い。従来型の企業文化やマネジメント手法が、変化の激しい現代社会や、多様な価値観を持つZ世代に合わなくなってきている可能性も否定できない。
企業は、Z世代の価値観や強みを理解し、彼らが能力を最大限に発揮できるような、柔軟な組織体制や評価制度を構築していく必要に迫られていると言えるだろう。同時に、Z世代も、社会人としての基本的なビジネスマナーやコミュニケーション能力を身につける努力は怠れない。企業の求めるものと自身の価値観とのバランスをどのように取っていくのか、積極的に模索していく姿勢が重要だ。
職場における世代間ギャップは、Z世代だけの問題ではない。企業とZ世代、双方が歩み寄り、互いの価値観や強みを理解し合うことで、新たな時代の働き方を創造していくことができるのではないだろうか。
👀 GenZ's Eye 👀
日本では新人が解雇される、なんてことは滅多にないと思いますが、筆者の周りでは今年新卒で入社し、もう退職した人が結構います。「入ってみたらなんか違った」「やっぱり頑張れなかった」といった理由が多いですが、このミスマッチは雇う側と雇われる側、双方に言える問題なのかもしれません。