過半数のZ世代が「海外で働きたいと思わない」【調査結果】

これが、“失われた30年”のツケなのか、それともネット社会が世界との距離を一気に縮めた証拠なのか……。

20代に特化した就業支援事業やIT分野の教育研修事業を運営する「株式会社UZUZ」が、現在、就活中の20代男女約1000人を対象に海外就職に関する意識調査を実施。そこで明らかになったのは……。

海外で働いてみたいと思いますか?

©株式会社UZUZ

海外で働いてみたいと思いますか?という質問に「思わない」と答えたZ世代は全体の52.7%を占めた。もはや、海外での就労は彼らにとってのステータスとはなり得ないということか。が、以下の理由に目を向ければ、なるほどと納得してしまう部分もある。

・日本が好きだから
・医療費や食事など日本が1番暮らしやすいと思う
・日本で家庭を築きたいため
・海外は治安が怖いから
・言語や文化の違いに不安がある
・何かあったときに家族に会える距離にいたいから

海外で“暮らす”こと自体にハードルを感じている人も多そうだ。「旅行で行くのはいいけど、移住して働くのはちょっと」というのがリアルな声といったところか。

行き先不透明な経済状況、歯止めのきかない少子高齢化など多くの課題を抱える日本。反面、食べ慣れたごはんに夜道を一人で歩ける治安、生活を支えるコンビニ、そして家族や友だちに囲まれての生活を第一に優先する気持ちも理解できなくはない。

 

では、逆に「海外で働いてみたいと思う」と答えた人にたずねた理由。

・日本の経済が不安だから
・給料が高い印象がある
・視野を広げたい

こちらもこちらで頷ける。円安の影響もあり「海外に出稼ぎに」と考える人も中に入るはずだ。

 

世界は格段に近くはなっている。それでも、海外で働くというメリットやその価値を、もしかするといまのZ世代のほうが現実に照らし合わせて分析し、取捨しているのではないかと思えてくる。「いつかは海外で」「世界で勝負する」、絵空事や夢物語として終わらせないように……。よく失敗したくないのがZ世代などと形容されるが、何が自分にとっての最善かをもしかしたら彼らはきちんと見据えて将来設計をしているんじゃないだろうか?

調査概要

【調査方法】キャリア面談の予約時にアンケート実施
【調査対象】既卒・第二新卒、新卒として就職活動中の20代男女
【有効回答数】1118名(既卒者:207名、第二新卒:726名、新卒:185名)
【調査実施日】2024年2月26日~2024年4月9日

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