地球をあたためているのは「火星」だった。気候変動に揺さぶりをかける、驚きの研究結果

「地球温暖化の原因は人間の活動によるもの」そんなふうに思っていないだろうか?もちろん、二酸化炭素排出の増加は無視できない。しかし最新の研究結果によると、地球温暖化は私たち人類だけの責任ではないかもしれないというのだ。

なんと、遥か彼方にあるはずの「火星」が地球の気温に影響を与えている可能性が浮上している。

火星の引力が、地球を太陽に近づけている

「Earth.com」に掲載された研究によると、地球の深層海流の強弱には約240万年周期のサイクルが存在し、このサイクルが地球と火星の重力相互作用と密接に関係している可能性があるという。

地球も火星も、太陽の周りを楕円軌道を描いて公転している。そのため両者の距離は常に変化しているのだが、約240万年ごとに地球は火星に接近、その引力に引っ張られるようにして僅かに太陽に近づくのだ。すると、地球に降り注ぐ太陽エネルギーが増加し、地球の気温が上昇する……というメカニズムだ。

研究チームは、過去6500万年分の深層海流のデータを分析。結果、この240万年周期とぴったり一致する形で、温暖な時期には海流がより活発化していた痕跡を発見した。まさに、火星の引力による太陽エネルギー増加が地球の気候システムに影響を与えている可能性を示唆しているのだ。

地球の未来を握る
「深層海流」の変化

本研究を率いたシドニー大学のAdriana Dutkiewicz氏は「6500万年にわたる深層海流のデータは、温暖な時期には深層海流がより活発化していたことを示唆している」と説明する。

深層海流は、熱や栄養塩を地球全体に循環させる、いわば地球の“血液”のようなものだ。この深層海流の変化は、海洋生態系や漁業資源に大きな影響を与える可能性があり、私たちの生活にも直結する重要なファクターと言えるだろう。

遠い未来の話のように思えるかもしれないが、地球の気候変動は、人類を含む地球上のあらゆる生命の存続に影響を与える可能性を秘めているのだ。

地球温暖化を、宇宙規模で考える

今回の研究は、地球温暖化が人類の活動だけでなく、宇宙規模の要因も影響している可能性を示唆しており、地球環境問題を考える上での新たな視点を提示している。

もしかすると、地球温暖化対策は、二酸化炭素排出量の削減といった地球規模の課題にとどまらず、宇宙という広大な視野で捉え直す必要があるのかもしれない。遠い未来、人類は火星移住計画などを通して、地球と火星、そして太陽との関係性をより深く理解し、地球環境問題の解決の糸口を見出すことになるだろう。

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