いま、解決が求められる「カーボン インイクオリティ」を知っていますか?
温室効果ガス排出量における格差
「炭素不平等」
「Carbon Inequality(炭素不平等)」とは、地球温暖化や気候変動といった環境問題において、先進国と途上国との間や、富裕層と貧困層の間など、異なる経済的・社会的な背景を持つグループ間で生まれている、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量の格差のこと。
イギリスの国際協力団体「Oxfam」の調査によれば、例えば、世界でもっとも裕福な1%の人々は、もっとも貧しい66%の人々よりも多くの温室効果ガスを排出しているというデータもある。また、世界でもっとも裕福な10%の人々は、1990年から2015年の間に大気中に排出された炭素の半分以上を担っているそうだ。
これとは異なる視点で問題視されているのが、先進国が排出した温室効果ガスの影響は途上国の方が受けやすいというもの。持続可能な社会を実現するにあたり、先進国や富裕層などは「Carbon Inequality」を知り、解決に向けたアクションを起こすことが求められている。
SUVトレンドがなかったら……
どうなっていた?
SUVトレンドは日本では今もなお続いているが、一説によるとこのトレンドがなかったら、温室効果ガスの排出量は30%減っていたかもしれないそうだ。
これは2010年から2022年の排出量を対象としたもので、もしも車のサイズが昔と変わらなければ、このような大きな違いになっていた可能性があるとのこと。
SUVが中産階級のステータスと紐づかなければ、温室効果ガスの排出量は減り、ここまで炭素不平等が悪化していなかったかもしれない。
移動手段によって
排出量は大きく変わる
先のような消費行動によって炭素負平等は悪化することもあるが、移動手段によっても悪化することがある。実際に、イギリスではもっとも裕福な10%の人々が、もっとも貧しい30%の人々の3倍近くのエネルギーを消費しているというデータもある。
飛行機や自動車での移動は便利ではあるが、公共交通機関の温室効果ガス排出量と比較すると、どうしても多くなってしまうという現実。
まとめ
「炭素不平等」は、日常生活における消費行動や生活様式そのものが影響して、改善されることもあれば、悪化してしまうこともある。利便性や快適性を求めれば求めるほど、排出される炭素は多くなると言ってもいいのかもしれない。こうした事実を知っておくことが、重要だと言えるだろう。
また、富裕層は地球温暖化や気候変動を食い止めるためのテクノロジーやサービス開発に投資する傾向も出てきており、こうした結果によって生まれるイノベーションには、多くの人々が期待を寄せている状況だと言ってもいいのかもしれない。
変化の激しいこの時代、
新しい価値観や考え方が日々生まれています。
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