持ち家に住む人は、賃貸暮らしより「寿命が長い」らしい
持ち家か、賃貸か、それは人生の大きな選択の一つ。近年では、ミニマリズムや多様な働き方の広がりとともに、身軽に暮らせる賃貸を選択する人も増えている。
しかし、科学系メディア「SciTechDaily」が紹介する最新の研究結果は、そんな私たちの価値観を揺さぶるものかもしれない。
持ち家は寿命を4ヵ月延ばす!?
オックスフォード大学が実施した研究によると、なんでも、持ち家がある人たちは、賃貸住宅に住む人に比べて平均寿命が4ヵ月程度長いという衝撃的な結果が出たという。住宅所有と寿命の間に大きな差があるとは、にわかには信じ難い人もいるだろう。
同研究を主導したDr. Casey Bree教授は、この結果について経済的な安定やコミュニティへの帰属意識、そしてより良い住環境などが健康寿命の延長に寄与している可能性を指摘。また、持ち家を持つアメリカ人と賃貸に住むアメリカ人の平均寿命に、統計的に有意な有意差があることも示しており、Bree教授は「成人初期に持ち家を持つ人は、賃貸に住む人よりも65歳時点で約6か月長生きしている」という事実を伝えている。
家は人生を豊かにする「投資」
近年、日本でも定年を待たずに早期リタイアして余暇を過ごすライフスタイル「FIRE」や、資産運用をしつつ副業を続ける「サイドFIRE」といった、経済的自立による早期リタイアを目指す生き方が注目されている。従来の「持ち家=住宅ローン」というイメージとは異なり、家を持つことを資産形成や自己投資と捉える若年層も増えている。
賃貸住宅は、住み替えのしやすさや初期費用の低さが魅力だが、毎月の家賃はそのまま支出となる。いっぽう、住宅ローンは、将来的には資産となる家に投資することに。もちろん、ローンの返済計画やリスク管理は必須だが、長期的な視点で見ると、持ち家は人生を豊かにする「投資」と言えるかもしれない。
住宅所有と寿命の関係は、まだ断定的なものではない。しかし、今回の研究結果は、私たちに「住まいと人生」の関係について改めて考えるきっかけを与えてくれる。賃貸、持ち家、それぞれのメリットとデメリットを比較検討し、自分にとって本当に大切なものは何かを見極めることが重要だ。