ニューヨーク⇄ロンドン間が54分に短縮!? 夢の「大西洋横断トンネル」構想とその実現可能性
旅にも「タイパ」が求められる時代。
いま、ニューヨークとロンドン、この2都市をわずか54分で結ぶという、まるでSF映画のような計画が提案されているのをご存知だろうか?
夢の超高速移動を支える
「大西洋横断トンネル」
この夢の移動手段を実現するのは、じつに全長約5472kmにも及ぶ大西洋横断トンネルだ。ここを超高速の列車で移動するそうだが、実現すれば、現在最速の飛行機で約8時間かかる道のりを大幅に短縮できる見込み。構想されているトンネルは、あの英仏海峡トンネルの約146倍というから驚きだ。海底トンネルとして建設する方法に加え、海上に浮かせるという大胆なアイデアも検討されているという。
実現への道のりは容易ではないだろう。英メディア「UNILAD」によると、総工費は約19.8兆ドル(約3000兆円)と途方もない額になる見込み。これは、日本の国家予算の約5年分に相当する金額であり、現在のところ現実的な資金調達の目処は立っていないということからも実現可能かどうかも疑問だ。
しかし、近年注目を集める「ハイパーループ」技術に目を向けると、決して夢物語ではないかもしれない。ハイパーループとは、真空に近いチューブ内を、磁気浮上式カプセルが超高速で移動する未来の交通システム。すでに世界各国で開発が進められており、実現すれば時速1000kmを超える速度も可能になるという。
「夢の技術」は実現するか?
未来への投資と国際協力に期待
莫大な費用や技術的課題を前に、実現への道のりは険しいことは否めない。しかし、かつては空を飛ぶことすら夢物語だった時代があったように、人類は常に技術革新によって不可能を可能にしてきた。
大西洋横断トンネル構想も、決して絵空事として片付けることはできない。むしろ、地球規模で進む人口増加や環境問題といった課題を解決する、未来への投資として捉えるべきなのかもしれない。
実現には、国際的な協力体制の構築や、民間企業の技術革新への積極的な投資が不可欠となる。遠い未来、世界中の人々が国境を越えて自由に交流する姿を想像するとき、この壮大なプロジェクトは、私たち人類に新たな可能性を提示してくれているのかもしれない。