米大企業、食用塩に「異物」混入の可能性。自主的に回収開始か
私たちの生活に欠かせないもののひとつ、塩。毎日当たり前のように口にしているけれど、その安全性は常に確保されているはず。
しかし、昨年末アメリカの塩製造大手「Compass Minerals America Inc.」から、異物混入の可能性があるとして、特定の塩製品の自主回収を発表したというニュースが舞い込んできた。
食用塩から、金属片混入が発覚
事の発端は、顧客から「購入した食用塩に金属片が混入していた」という報告を受けたことだった。
「Newsweek」によると、「Compass Minerals America Inc. 」は昨年11月に製品の自主回収を発表。対象となるのは、1トン袋に入ったバルク塩、50ポンド(約23キログラム)入りの高純度顆粒状食用塩、44ポンド(約20キログラム)入りの「Sifto HyGrade」塩の複数ロット。
これらの製品は、アメリカ国内のメイン州、インディアナ州、ウィスコンシン州、そしてカナダの顧客に販売されていたという。
健康へのリスクは低い?
FDAはクラスIIに分類
事態を重く捉えたFDA(アメリカ食品医薬品局)は、昨年12月にこの自主回収をクラスIIのリスクに分類。FDAの定義によれば、クラスIIとは「違反製品の使用または曝露が、一時的または医学的に回復可能な健康上の悪影響を引き起こす可能性がある、または深刻な健康上の悪影響の可能性が低い状況」を指す。
つまり、現時点では健康被害の報告はないものの、念のため回収を行うという判断だ。
同社は取材に対し、「食品の安全性と品質は最優先事項であり、この件を非常に深刻に受け止めている。顧客に影響がないように、BRCGSの食品安全に関するグローバルスタンダード認証機関、カナダ食品検査庁(CFIA)、そしてFDAと緊密に協力し対応している」と回答。
回収対象製品の使用中止を呼びかけるとともに、FDAまたはCompass MineralsのWEBサイトで詳細を確認するよう促している。
消費者の不安、払拭なるか?
今回の自主回収は、消費者に大きな不安を与える出来事となった。「Compass Minerals America Inc.」は、食品安全性に関するグローバルスタンダード認証を取得しており、4年連続で「Newsweek」の「America’s Most Responsible Companies」に選出されている企業だ。
このような企業でさえ異物混入を防ぎきれないという事実は、食品安全に対する意識を改めて私たちに突きつけるものと言えるだろう。
同社は今回の事態を真摯に受け止め、再発防止に努めることが求められる。同時に、私たち消費者も食品の安全性に関する情報収集を積極的に行い、自分の身は自分で守る意識を持つことが重要だと言えるだろう。