10セント硬貨がもたらす、クリスマスの奇跡:小さな積み重ねが叶えた、大きな夢
「クリスマスの奇跡」といえば、少し大げさに聞こえるかもしれない。しかし、ささやかな行動が積み重なって、想像以上の幸せを生み出す光景を目の当たりにしたら、きっと誰もがそう呟かずにはいられないだろう。
フロリダ州の小さな教会で起きた、心温まるエピソードをご紹介。
毎月10セントの靴下貯金
地元紙「The Chronicle」が伝えたこのストーリー。主役は、フェイス・ルーテル教会の教会員たちだ。
彼らは3年前から「Red Sock Project」と名付けた、独自の貯金活動に取り組んでいる。その方法は、至ってシンプル。毎月、靴下の中に10セント硬貨を貯金していくというもの。金額は月ごとに増え、1月は10セント、2月は20セントと、まるでカレンダーをめくるように、自然と貯金できる仕組みだそう。
年間の目標金額は……
たった18ドル!?
一人当たりの年間目標額は約18ドル。日本円にして、わずか2800円ほど。記事によると、この活動は教会員であるMarge Sawyer氏の発案で始まったという。たとえ少額であっても、楽しみながら社会貢献に参加できる方法はないかと考えた結果が、この「Red Sock Project」だったようだ。
こうして集まったお金の使い道は、貧困家庭を支援する団体「Citrus United Basket」へのクリスマスプレゼントとして贈られる。教会員たちの温かい想いは、子どもたちが心待ちにする自転車へと姿を変えた。
たった18ドル。それでも塵も積もればなんとやら。今年2024年は、なんと30台もの自転車とヘルメットを贈ることができたそうだ。ちなみに2022年は26台、2023年は27台と、その活動は年々広がりを見せている。
サステナ意識と心の豊かさと
近年、世界中で関心を集めている「サステナビリティ」。その流れは、私たちの消費行動にも変化をもたらしている。環境問題や社会貢献に関心の高いミレニアル世代を中心に、エシカル消費と呼ばれる、倫理的な視点を重視した消費行動が広がりを見せている。
フェイス・ルーテル教会の活動は、まさにこのサステナビリティの精神を体現していると言えるだろう。小さな金額をコツコツと貯蓄し、地域社会に還元する。そのプロセス自体が、持続可能な社会の実現に向けて、私たち一人ひとりができるアクションを示唆しているのではないだろうか。
そして、忘れてはならないのは、この活動がもたらす心の豊かさ。金額の大小にかかわらず、誰かのために役立ちたいという純粋な気持ち。そして、その行動がもたらす喜びや達成感は、お金では買うことのできない、かけがえのない価値と言えるだろう。