移民たちの「忘れられた夢」を叶えたフォトグラファー
ニューヨーク・マンハッタンのすぐ側に位置しているエリス島には、20世紀半ばまで「移民局」がありました。より良い暮らしを求めヨーロッパから多くの人がやってきたそうですが、時代は違えど簡単に入国できたわけではありません。伝染病にかかっている人や不法労働に携わりそうだと判断された人は、みな拘束されていきました。そうした中、3,000人以上の人たちが島で亡くなったといいます。
ハンガリー出身のフォトグラファー、Flóra Borsiさんは島を訪れた時、「当時と移民に対する政策の変更が起きている今の状況はどこか似ている」と感じたということです。そしてこれが、自身が得意とするアートで「彼らの無念を果たし、夢を叶えてあげる」というプロジェクトに取り組むきっかけとなりました。
モノクロからカラーへ
「今」と融合した移民たち
「まだブルックリンだ。このまま進もう」
「橋を渡った先はマンハッタンよ」
「やっと街中に着いたわ」「長い旅だったな」
「こんなに人がいっぱいいるの?」「そうよ。はぐれないようにね」
「荷物も置いたし、さぁ少し歩いてみよう」
「僕たち本当にアメリカにいるんだね。なんだか実感が湧いてきた」
「緑もたくさんあるのね」
「歩きすぎて疲れたわ。地下鉄が心地よく感じる」
「家族全員で来れて本当によかった」
「私のような年寄りでも、アメリカンドリームに一歩近づけたぞ」
「エリス島の話は、現代の問題にも直結しています。これは歴史ではなく『今』なのです」ーFlóra Borsi
Licensed material used with permission by Flóra Borsi