「移民」と「難民」の違い、わかりますか?
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
国連総会で「すべての移住労働者とその家族の権利の保護に関する国際条約」が採択された日
アメリカやヨーロッパだけでなく、日本でも2019年施行の「入管法(出入国管理及び難民認定法)」の改正にともなってニュースなどで取り上げられることが多くなった「移民」の問題。
1990年の今日12月18日は、そんな移民に関連した「すべての移住労働者とその家族の権利の保護に関する国際条約」が国連で採択された日です。
その内容は、条約の名称を読んで字の如く、人種や皮膚の色、言語、宗教、政治的な意見、経済的地位や財産の大小などを問わず、移民と同行家族の人権を国際的に保証するというもの。
さて、そこでひとつ質問です。
メディアなどで「移民」と同義、同列で語られることの多い「難民」という表現ですが、それぞれの定義や使い分けを知っていますか?
国連の難民問題を扱う機関「UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)」によると、「難民」とは「迫害のおそれ、紛争、暴力の蔓延など、公共の秩序を著しく混乱させることによって、国際的な保護の必要性を生じさせる状況を理由に、出身国を逃れた人々」としています。
続いて「移民」についての「国連広報センター/国連経済社会局」の説明はこう。
「国際移民の正式な法的定義はありませんが、多くの専門家は、移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々を国際移民とみなすことに同意しています」──。
“正式な法的定義はない”“みなすことに同意”......少々曖昧な表現が目立ち、読み取りようによっては「難民も移民の一部である」と解釈する人も少なくないのではないでしょうか?
移民や難民を取り巻く事情や環境は、国際的な規模を誇る組織でさえも、いまだクリアにできていない非常に深い問題です。
インクルーシブな社会の実現は、まず、自分と異なる環境に身を置く人への理解から。
今後、おそらくは隣人として生活していくであろう、さまざまな境遇の人たちとのコミュニケーションが未来を作っていくのです。