お肌にも悪影響。現代人特有の社会的時差ぼけ「ソーシャルジェットラグ」

「今日は夜更かしして、明日たっぷり寝ればチャラでしょ!」 仕事や勉強に追われる日々のなかで、そうやって週末は休息モードにスイッチを切り替えている人も多いのではないだろうか。

しかし、そんな私たちの油断をつくかのように、美容業界に「ソーシャルジェットラグ」という新たなキーワードが登場した。

あなたも経験者かも
「ソーシャルジェットラグ」の正体

「株式会社コーセー」が今月発表した情報によると、「ソーシャルジェットラグ」とは、平日と休日の睡眠時間の中央時刻の差によって生じる体内時計の乱れのことを指す。そして、この乱れが肌に悪影響を与える可能性があるというのだ。

同社が行った日本人女性10~20代67名を対象にしたアンケート調査では、ソーシャルジェットラグが1時間以上ある人は、そうでない人に比べて「毛穴の目立ち」や「顔の赤み」に悩む割合が高いという結果が出ている。

さらに、20代の日本人女性23名を対象とした別の睡眠介入試験では、2週間、週2日間のみ就寝・起床時間を2時間遅らせる生活をさせたところ、毛穴の目立ちと顔の赤みの増加が確認されたという。

これらの研究結果は、睡眠時間だけでなく睡眠リズムの乱れも肌老化を進行させる要因となりうることを示唆している。

©株式会社コーセー
©株式会社コーセー

たった2時間の「ズレ」でも
未来の肌が変わる

現代社会において、多くの人が程度の差こそあれ、ソーシャルジェットラグの影響を受けていると言えるだろう。

たとえば、平日は仕事や学業に追われて夜遅くに帰宅した後も、スマホを触ったり動画を見たりと、ついつい夜更かしをしてしまう。いっぽう、週末はゆっくり休もうと夜更かししたり、朝寝坊したりする。

このような生活習慣を続けていると、体内時計が乱れ、肌のターンオーバーが正常に行われなくなる。その結果肌のバリア機能が低下し、さまざまな肌トラブルを引き起こしやすくなるのだ。

「時差ボケ顔」を防ぐ3つの秘訣

「でも平日は忙しいし、睡眠時間を確保するのも難しい……」 そう思った人もいるかもしれない。

諦めるのはまだ早い。毎日の生活のなかでほんの少し意識を変えるだけでも、ソーシャルジェットラグの影響を軽減することは可能だ。具体的には、以下の3つのポイントを意識してみよう。

  • 休日も平日と同じ時間に起床: 休日に寝だめをするのではなく、平日と同じ時間に起床し、朝日を浴びることで体内時計のリズムを整える。
  • リラックスできる睡眠環境を作る: 室温や照明を調整し、アロマを焚いたり、ヒーリングミュージックを聴いたりするなど、リラックスできる環境を整える。
  • 就寝前のスマホ時間を減らす: スマホから発せられるブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制すると言われている。就寝前の1時間は、スマホを触るのを控え、読書やストレッチなど、リラックスできる活動を取り入れてみる。

これらの習慣を心がけることで、質の高い睡眠を得ることができ、「時差ボケ顔」とは無縁の、健やかで美しい肌を保つことができるだろう。

Top image: © iStock.com / ilona titova
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