味覚は“次世代VR/AR”の鍵となるか? 香港城市大学が開発した「味」を再現するデバイスが示す未来とは
近年、メタバースやオンラインゲームなど、仮想空間で過ごす時間が増えつつある。同時に、よりリアルで没入感のある体験を求める声も高まっている。そんな中、視覚や聴覚だけではない、新たなVR/AR体験の可能性を示唆するデバイスが登場した。
香港城市大学発! 画期的な味覚再現デバイス
TREND HUNTERが2025年1月9日付で公開した記事『Virtual Flavor Simulators』によると、香港城市大学の研究者たちが、仮想空間で味覚を再現する画期的なデバイスを開発したという。
このデバイスは、安全なハイドロゲルに微弱な電流を流すことで、特定の味覚を舌に伝える「イオントフォレシス」という技術を利用している。記事内では、ロリポップのような形状で、重さはわずか15グラム、3Dプリントされたケースに収められており持ち運びも容易であると紹介されている。
デジタル試飲体験で食品ロス削減も? 味覚の可能性
この革新的な技術は、エンターテインメント分野から食料問題まで、幅広い分野に影響を与える可能性を秘めている。
たとえば、ゲームや映画の世界を、視覚、聴覚に加えて味覚からも体験できるようになるかもしれない。また、食品・飲料メーカーは、デジタル試飲体験を提供することで、消費者の購買意欲を高められるだろう。TREND HUNTERの記事内では、食品ロス削減に貢献できる可能性も示唆されている。
さらに、食料問題の解決にも貢献できる可能性がある。地球規模で資源不足が深刻化する中、現実世界の食料消費を抑えつつ、仮想空間で食体験を共有する未来も現実味を帯びてくる。
「食」のメタバース体験実現に向けて
近年、注目を集めているメタバースは、仮想空間でさまざまな体験ができるサービスとして期待されている。しかし、現状では視覚と聴覚に訴えるものがほとんどだ。
「味」という要素が加わることで、メタバースはさらに魅力的な空間になるだろう。たとえば、自宅にいながら世界中のレストランの味を楽しんだり、仮想空間で友達と食事をしながら語り合ったり、これまでにない体験が可能になる。
香港城市大学が開発したデバイスは、メタバースにおける「食」の可能性を広げる第一歩と言えるだろう。近い将来、五感をフル活用したメタバース体験が当たり前になるかもしれない。