書店だってバーチャル空間に。仮想的な大型本棚を追加した「新書マップ4D」

大型書店チェーンの閉店が相次ぎ、電子書籍やネット通販が普及するなど、リアル書店を取り巻く環境は厳しさを増している。私たちはもう、あの広大な書棚をゆったりと巡り、偶然の出会いに心躍らせる機会を失ってしまったのだろうか?

そんなことはない。特定非営利活動法人「連想出版」は、読書案内サービス「新書マップ」に、仮想的な大型本棚「4D本棚」を搭載した「新書マップ4D」をリリースした。

あの頃のワクワクを、デジタル空間で

同社が昨年12月にリニューアルオープンした「新書マップ4D」。最大の特徴は、23,000冊もの新書が並ぶ仮想空間を自由に動き回ることができる点にある。

利用者は、まるで巨大な図書館にいるかのように気になる書棚に近づき、背表紙を眺めることが可能。気になる本があれば、表紙はもちろん目次を見て内容を確認することもできるそうだ。

同社は「本棚に立っている本を興味のままに選んで、次々と表紙や目次を確認していく体験は、大きな書店の新書コーナーで実物の新書を手にとって品定めをする感覚に近いものです。これらの機能が、スマホやタブレットを指一本で操作してストレスなく利用できます」と、同サービスの利点を語る。

梯子がなくても最上段の本棚を見に行くことが可能 ©特定非営利活動法人 連想出版
背表紙から気になる本を選ぶ ©特定非営利活動法人 連想出版
本の概要を確認したり、電子書店に移って購入や立ち読みも ©特定非営利活動法人 連想出版

無限の可能性を秘めた「知」の探索

「新書マップ4D」の魅力は、そのリアリティだけにあらず。従来の「新書マップ」から引き継がれた「テーマリウム」機能は、星座表のように関連するテーマの新書を繋げて表示するというもの。

この機能により、特定のテーマに興味を持った利用者は、思いもよらない関連書籍との出会いを経験することもあるかもしれない。

さらに、「連想本棚」機能は利用者が「私の本棚」に登録した本と関連性の高い新書を自動的に収集し、新たな読書体験を提案してくれる。自分だけの読書マップをつくることができるという面白さも、デジタル空間ならではだろう。

©特定非営利活動法人 連想出版
©特定非営利活動法人 連想出版

本との出会いは
もっと自由に、もっと深く

デジタル化が進む現代において、信頼できる情報源の重要性はますます高まっている。専門家が特定のテーマについて分かりやすく解説する新書は、そうしたニーズに応えることができる貴重な情報源と言えるだろう。

「新書マップ4D」は、リアル書店の減少という時代の流れを捉えつつ、デジタル空間ならではの機能によって、新しい読書体験の可能性を広げているのだ。

Top image: © 特定非営利活動法人 連想出版
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。