近畿大学が開発した「うなぎ味のナマズ」めちゃくちゃ美味しいらしい

困難とされていたマグロの完全養殖に、約30年の年月をかけて成功した近畿大学。そのマグロが「近大マグロ」として販売されていることはよく知られています。

でも、同大学が「近大ナマズ」を研究中であることはあまり知られていないのではないでしょうか?詳しく紹介していきましょう。

ナマズがウナギの代用品として
研究された理由とは?

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マグロと同様に日本人が大好きな魚である「うなぎ」は、養殖するための稚魚の乱獲や河川の開発で数が激減。絶滅危惧種に指定されるほどの状況となっています。

そこで、稚魚を捕獲して行う養殖ではなく、卵を産ませて稚魚を育て大きくする「完全養殖」の研究が進められているのです。しかし、うなぎを完全養殖しようと思っても、どこで産まれてどこで育つのかは、まだ完全に分かっていないため効率よく稚魚を育てられません。

その理由は、うなぎの稚魚は生まれたときにはオス、メスの区別がなく、なんらかの環境の変化が稚魚に影響を与えオス、メスが決まるから。環境変化が何も起こらないと、すべてがオスになるため、卵が生まれず完全養殖ができないのです。

そこで、近畿大学はマグロのときと同様に完全養殖を目指すのではなく、味や食感、香り、脂ののり具合などが“うなぎに近くなる魚”を探して研究を開始。さまざまな魚をかば焼きにして調べた結果、ナマズに着目したというわけ。とはいえ、臭いと脂ののり具合が大きくかけ離れていることから、この2つをうなぎのそれに近づけるべく、研究、改良に着手します。

そして、約6年をかけて、2015年にうなぎ味に近いナマズを「近大ナマズ」として開発。一般的に、日本で食料としてのナマズはネガティブな印象があるため、中途半端なものではうなぎの代用品にはなりません。

さて、「近大ナマズ」の出来はいかに?

一体、どんな味がするの?

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「近大ナマズ」は近大直営の料理店や一部のウナギ専門店などで試験的に提供されました。なんと、食べた人は「ナマズと言われなければ、うなぎと思ってしまう味や食感だった」と感想を述べたのだとか。

なお、近畿大学は、かば焼きだけでなく刺身としてもおいしく食べられるよう、うなぎの良さを6割、ナマズならではの味を4割のイメージで完成させたと強調しています。つまり、うなぎの代用品ではなく、うなぎを超える可能性のある新たな食材として売り出す考え。現在は、1人前が約2,000円で提供されていますが、将来的には、500円で提供できることを目指しているのだそう。

どこで食べられる?

「近大ナマズ」は、貴重な天然資源を守り、かつ美味しい味を安価で提供できる可能性を秘めています。研究をより進めて、さらに美味しくなるようにしてもらうためには、食べて応援することが一番でしょう。

近畿大学には、直営の料理店が、東京、大阪に各1店舗あります。東京では、近畿大学 水産研究所 銀座店。大阪は、近畿大学 水産研究所 グランフロント大阪店。ここで近大ナマズが食べられます。

しかし、メニューにはいまだに記載はされていないそう。いつでも食べられるわけではないので、事前に確認が必要な状態です。

養殖技術の進歩は
さらなる発展が期待される

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今後、養殖技術の進歩、発展による食糧増産は、さらに重要になっていきます。また、単なる食糧増産でなく天然ものを上回る味も期待されているといっていいでしょう。

「近大ナマズ」はその期待に十分応えているのではないでしょうか。今後も、その可能性には大きな期待がかかります。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。