パリでチャンスをつかんだ京都の伝統工芸職人が作る「竹細工のアクセサリー」
伝統工芸って、どこか敷居が高そう。そんなイメージを変えて、もっと身近に感じてもらえるような商品を作っている職人さんが、京都にいます。竹工芸職人、小倉智恵美さんです。
小倉さんは、京都の職人たちの間で代々受け継がれている「竹籠」の技術を活かしてバングルやリングを製作し、「京竹籠 花こころ」というブランド名で販売しています。
伝統工芸で生活したい
2004年に、伝統工芸の専門学校を卒業した小倉さんは、同期生6名と共同で工房を始めました。その後、2011年に独立して工房「京竹籠 花こころ」を自身で立ち上げました。
始めたばかりの頃は、飲食店アルバイトの収入で生活を繋ぐ日々。徐々に仕事は増えてきたものの、問屋から依頼されて作る商品から得る収入は安く、暮らしはなかなか楽になりません。「工芸の世界はこういうもの」と思いながら、取り組んでいました。
それでも、仕事をこなしていくうちに、百貨店やギャラリーのグループ展に参加する機会に恵まれることに。しかし、張り切って出品しても、商品は全く売れません。「問屋さんを通している商品は売れているのに、どうして売れないの?」。問屋のように常連の客もいなければ、ネームバリューもないのはわかっていましたが、なぜ売れないのかが分かりませんでした。
パリで話題を呼ぶ
「一緒に仕事をしたい」
そんな時に、技術を活かした新商品を考えるため、市場調査をすることになります。工房での仕事を休んで、東京の見本市や人気セレクトショップでどんな商品が人気かを見て回りました。売れ筋の商品をみていく中で、手に取りやすい商品と技術を組み合わせたらいいのではないかということを発見。そこで、敷居の高い伝統工芸のイメージを変えるために、身近なアクセサリーを作ることにしました。
そして、2014年にパリで開催された「ジャパン・エキスポ」では、海外のデザイナーから「一緒に仕事をしたい」と依頼を受けるまでに。伝統とモダンの組み合わせが、人気を呼ぶことになりました。
また、百貨店などの高級店では、竹細工の見た目の繊細さが好評。バングルやリングなどのアクセサリーが人の目に触れる機会も増え、もともと売れなかった伝統工芸品の注文も増えていくことになったのです。
この商品は、オンラインショップ「コトモノミチ」で購入可能です。