「媚薬効果」配合を謳う違法ハチミツの密輸が急増中:仏税関より注意喚起
「健康のために毎日スプーン一杯の蜂蜜を」なんて言葉を耳にする機会も多いだろう。スーパーフードとして人気を博している蜂蜜だが、その裏で、違法な「媚薬効果」を謳う危険な蜂蜜の密輸が横行している事実を知っているだろうか?
フランス税関は、2019年に18件だった違法蜂蜜の摘発数が、2023年には131件と、4年間で7倍以上も急増していると発表した。2024年には、マルセイユ税関だけでなんと86万本以上、重さにして13トンもの違法蜂蜜が摘発されている。一見、普通の蜂蜜と変わらないパッケージで販売されているため、購入者は違法性を認識できないまま口にしている可能性も高い。
「Black Horse」…その蜂蜜、本当に安全?
フランス税関が押収した違法蜂蜜からは、ED治療薬として処方されるシルデナフィルやタダラフィルが検出されている。これらの成分は、医師の診断のもと、適切な量を服用する必要がある医薬品だ。違法蜂蜜には成分表示もなく、適切な服用量も不明なため、健康被害のリスクは計り知れない。
問題の蜂蜜は、「Black Horse」「Etu Max」「Bio Max」といったブランド名で販売されていることが多いようだ。しかし、これは氷山の一角である可能性も否定できない。
「怪しい」と思ったらクリックする前に…
近年、東南アジアや中東諸国から船便や国際宅配便を利用して、違法な製品が密輸されるケースが増加傾向にある。手軽なオンラインショッピングは、違法な製品を消費者に届けてしまうリスクも孕んでいると言えるだろう。
今回のフランスの事例は、決して他人事ではない。健康ブームの影で、私たちの身近にも危険が潜んでいることを認識し、商品を購入する際には、原産国や成分表示などをしっかりと確認する必要がある。
Reference: douane.gouv.fr
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