世界初「ミツバチを使わない」けど、本物のハチミツ

ミツバチを使わずに代替ハチミツを開発する「MeliBio」が、世界初となる代替ミツバチ商品を発表し話題となっている。

カリフォルニア州のフードテック「MelBio」は、微生物を使って、特定の動物性たんぱく質を量産する技法である精密発酵の技術を活用し、ミツバチにたよらず分子的にハチミツと同じ“人工ハチミツ”を開発する企業だ。

日本ではまだ馴染みの薄い精密発酵(微生物発酵)だが、バイオマス発酵に次ぐ発酵技術として注目されている。

市場にはアガベシロップやナツメヤシ、りんごなどを用いた代替ハチミツがあるが、ハチミツ本来の風味や特性を再現するには至っていない。

精密発酵でつくりだされた次世代ハチミツ。すでに受注を開始し、2022年内には流通が始まるという。これぞフードテックな真打登場で、ヴィーガン市場がさらに活気づくに違いない。

ところで……、

もし、地球上からハチがいなくなったら、人間は4年以上は生きられないだろう

とは、かのアインシュタインの言葉だそうだが、世界の作物の3分の4がミツバチの受粉に依存している。その一方で、近年ミツバチの個体数の減少が深刻な問題となっているのもまた事実。

「現在のハチミツの生産方法がミツバチの生態系を壊している。ハチミツ生産におけるミツバチの使用を中止することで、世界中の在来種とミツバチが活気付き、生物多様性が戻ることを期待しているんです」

ミツバチ減少問題への打開策だと「MelBio」は主張する。

たんにヴィーガンブームなだけでなく、世界の食糧生産に深刻な影響が及ぶ可能性さえ、我々は考えなければいけないのかもしれない。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。