“フードダイバーシティ”の時代に。本物すぎる「イクラちゃん」爆誕
「ご覧ください、この美味しそうな“イクラ”丼を」―――なんて、ついご紹介したくなってしまう。
お椀に敷き詰められた“イクラ”の正体は、熊本県水俣市のベンチャー「エシカルプロダクツ株式会社」が開発した、プラントベース食品「イクラちゃん」。
見た目、食感、忠実再現
プラントベースの「いくら」
写真からは本物と見紛う「いくらちゃん」。その見た目だけでなく、プチッと弾ける食感も忠実に再現されているそうだ。液体の周りをゼリー状の被膜多く調理技法「スフェリフィケーション(粒状化)」を応用してつくられたそう。スフェリフィケーションといえば、あの“世界一予約が取れないレストラン”として、世界のグルマンディたちを魅了した名店「エル・ブリ」のオーナーシェフ、フェラン・アドリアが考案したとされるテクニックだ。
料理に添えられた姿からも、代替品と言われなければまったく気がつなかいクオリティに驚かされる。
フードダイバーシティの新たな選択
さて、この「イクラちゃん」、昨今需要が高まるフードダイバーシティ(食の多様性)に応えるべくして開発されたそう。アレルギーや痛風などの疾患がある、妊娠している、宗教やビーガンなどのポリシーを持っている……など、好きなものを食べたくても口にすることができない人は意外と多い。
食事の制約を持つ人たちに寄り添い、多様化する社会に新たな選択を提示したい――そんな思いもスフェリフィケーションされたイクラには内包されているのかもしれない。
健康配慮のイクラちゃん
1年の長期保存も可能
また、「イクラちゃん」は単にプラントベースなだけでなく、コレステロールゼロ、プリン体ゼロ、1日分のオメガ3脂肪酸摂取が可能といった具合に、誰もが安心して口にできるよう健康面への配慮もなされているそうだ。
さらにはスフェリフィケーションの特性を活かし、保存性と流通性に優れているのも「イクラちゃん」の魅力。通常、塩や酸に対する耐性が弱く、長期保存の加工品として流通させるのはかなり難しいそうだが、プラントベースの「イクラちゃん」は、驚くことに常温保存が可能だという。賞味期限も製造日から1年と長い。
新たな選択を世界へ
クラウドファンディングにも挑戦中!
「イクラちゃん」は、10月31日から発送開始予定として「醤油漬け」「塩漬け」の2種類が公式オンラインショップで予約可能とのことだが、発売に先立ち、現在「エシカルプロダクツ株式会社」開発チームはクラウドファンディングにも挑戦中。
「イクラを食べたくても食べられない世界中の人々に届ける」ための支援を、9月末まで「CAMPFIRE」で募っている。開発の背景や彼らの思いは、クラウドファンディングページに詳しく。
日本から世界へ、新たな食の選択が広がっていくことを期待して。