植物由来バーガー市場、あと10年で「3兆3000億円規模」に成長するらしい
100%植物性パティのプラントベースバーガーをお試しになったことはあるだろうか?
日本で暮らしていると、需要がどれほどあるのかないのか、いまいちピンとこない代替肉(プラントベースミート)。だが、世界的に見れば右肩上がりの成長著しい市場。
株式会社「グローバルインフォメーション」による昨年の市場調査によると、2020年の時点でその市場は124億ドル(約1兆6235億円)規模に達し、27年まで年平均成長率は約17.3%を見込んでいる。
環境問題、健康意識、食糧危機への不安など、プラントベースミートを選択する理由はさまざまだが、2019年に米国のメニューでもっとも急成長した料理や食材は、プラントベースのバーガーだったという話もある。
その“肉じゃない”バーガーだが、最新の市場調査ではさらに成長する余地があるという。
調査会社「Future Market Insights(FMI)」によると、2033年までに世界のプラントベースバーガー市場は現在の51億ドルから4倍となる、232億ドルまで成長が見込まれるという。
日本円に換算すると、じつに3兆3000億円規模。
市場拡大の背景にあるのは、先に挙げたもののほかに飲食店やマーケットで容易にオーダーできたり入手可能となったことがある。そして特筆すべきは味や品質のアップグレードだ。
代替肉といえば最初に思い浮かぶのが大豆ミートだろう。だが、近年ではえんどう豆や小麦、菌類をベースに植物性タンパク源を利用した“ニューミート”が登場。ヴィーガンや植物性食品の人気が高まるのに比例して市場も急拡大を続けているようだ。
「動物由来の製品が数十年間店舗に並んでいる商品に限られているのに対し、植物性の肉製品は素材や製造方法についての制限がありません。新しい素材が使われたり、新しい技術が発見されるたびに、より多くのアイデアが生まれ、革新的な商品展開が可能になっているんです」
ヴィーガンメディア「VegNews」が紹介する「プラントベースドフーズ協会(PBFA)」の開発担当者Julie Emmett氏のコメントに、拡大し続けるプラントベースミート市場のからくりが透けて見える。
ともあれ、市場を牽引するアメリカ、中国、そしてイギリスの3国はいずれもサステナビリティや健康促進などの観点から政府がイニシアチブをとって市場を後押ししているのも事実。
かたや日本、プラントベース市場は拡大しつつも、代替肉と聞けばやっぱり消費者は肉と比較してしまう。が、両者は似て非なるもの。
限りなく“肉に近いバーガー”というイメージをいかに捨てさることができるかが、今後の発展のカギを握っているように思える。