英国民の食肉消費量、10年間で17%減少。
世界中で肉の消費量が変化している昨今、イギリスにおける国民の1日あたりの食肉消費量が、過去10年で17%減少(1人あたり17.4g減少)していることが明らかになった。
オックスフォード大学(Nuffield Department of Primary Care Health Sciences)の研究チームがまとめた最新の調査によると、おもに赤肉や加工肉の消費減少が顕著だったという。
赤肉といえば牛肉、豚肉、羊肉など、サンデーローストをはじめ、英国人の食習慣には欠かせないお肉ばかり。ソーセージやハム、ハンバーグなどの加工肉にしても、食卓から少しずつ姿を消す様は、やはりそれなりの覚悟があったはずだ(自分だったらツラいもの)。代わりに消費が増加傾向にあったのが、鶏肉や魚肉を含む白肉だ。
ちなみに調査は、2008年〜09年から2018年〜19年に実施されたNDNS(National Diet and Nutrition Survey)で報告のあった食事データをベースにしたものだそうで、これが英国内の食品消費に関する全国代表的なデータを収集した唯一のものだというのだから説得力があると言わざるを得ないだろう。
もちろん、この間ベジタリアンやヴィーガンへと食習慣を変えた人もいる。割合としては2008年期で2%、18年期では5%の上昇だ。
10年で17%減少、数値だけ見ればより健康的な食生活を実践しているようにも思えるが、専門家らはこの減少ペースについて温暖化対策を目的に政府が定めている目標には程遠いと厳しいジャッジを下した。
というのも、気候変動との戦いに向け、政府主導の家畜飼育の土地の削減をはじめ、温室効果ガス排出量の大幅低減など、2030年に向けてかなりストレッチな環境指数を定めている。国全体で肉消費30%削減もそのひとつ。
肉食文化からの脱却を図るイギリス。まだまだ道半ばといったところなんだろうが……健康のため、環境のための大義名分はあれど、好きなお肉を自由に食べられない。これだけやってもまだ足りないというのか。そんな国民からの悲鳴が聞こえてこなくもない。
God bless Meat!!