【ライフデザイン Lab.】
みんなが考える恋愛ってなに?
結婚と同じもの、それとも違うもの?

この記事は大学生を中心とした若い世代とこども家庭庁によって組織されたプロジェクト「ライフデザインYouth Lab.」が作成したものです。若い世代が主体的に、自らのライフデザインについて考える機会の創出を目指しています。

※「ライフデザインYouth Lab.」について詳しく知りたい方は文末をご覧ください。

【記事執筆者】

井上綾萌

参加した理由/このプロジェクトでやりたいこと
せっかく自分に与えられた機会であり、ライフデザインに関して漠然とした考えしか持っていなかったため。

清瀬依美璃

参加した理由/このプロジェクトでやりたいこと
20代の自分の等身大の考えや価値観を何か形に残したいと思ったから。

藤川晴奈

参加した理由/このプロジェクトでやりたいこと
一人前の「大人」になるために。漠然とした将来への不安を解決する!

松田美里

参加した理由/このプロジェクトでやりたいこと
プロジェクトへの参加理由は、同世代の人たちと将来への不安や悩みを一緒に共有したいと思ったから。

山田真菜子

参加した理由/このプロジェクトでやりたいこと
ライフデザインを自分らしく出来るように、様々な視点から考えること!

数字と物語が語る、恋愛と結婚のリアル

恋愛と結婚を別だと考える人たちがいる一方、同じものだと考える人がいる。恋愛と結婚を別のものとして捉える人も、同じ延長線上にあると考える人もおり、筆者の周囲でもさまざまな意見が聞かれた。別だと考えている人たちは、結婚を前提に付き合ってはいないようだ。筆者の周囲では、結婚を前提にせずに交際しているという声も聞かれた。

そもそも、結婚を前提に付き合うことについて「重いと感じる」という意見を耳にすることもある。また、結婚を前提とした交際であれば関係の数は限られるのではないか、という見方がある一方で、交際と別れを繰り返す人もいるように感じられた。

同じものだと考える例として、恋愛の「好き」という感情の延長線上にあるのが結婚だという考えもある。また、「交際0日婚」というものも存在する。恋愛という過程をせずに結婚する形である。議論の中では、こうした形について「恋愛と結婚が近い関係にあるからこそ、過程を省いたのではないか」と捉える声もあった。

他方、恋愛の過程そのものを負担に感じるという見方もあり、恋愛と結婚を完全に分けて考える立場として整理することもできる、という意見も出た。

一見すると「交際0日婚」という新しい価値観のように感じるが、許嫁やお見合いも相手のことをあまり知らずに結婚を行っている点では共通している。話し合いの中では、こうした点から「昔の結婚観と重なる部分があるのではないか」という整理も共有された。

恋愛重視のドラマとして『結婚できない男』という作品があげられる。このドラマは、他者との関わりや恋愛を通して価値観が変化していく様子が描かれている。視聴した学生の間では、パートナーと過ごす時間に「効率」だけでは測れない豊かさがあると感じた、という感想が出ていた。

一方で、結婚重視のドラマとして『逃げるは恥だが役に立つ』があげられる。契約結婚という設定を通して、制度的な結びつきが描かれている。筆者自身は、「結婚は互いに好意があって成立するもの」という前提を持っていたが、政略結婚やお見合いの存在を改めて考えるきっかけになった。

こうした作品や身近な話を通じて、恋愛や結婚の形は一様ではなく、価値観によって捉え方が異なることを整理することができた。

恋愛に二種類?

恋愛する前に、結婚目的か恋愛目的か考える。考えて付き合っている。こうした考え方をしている人も、一定数いるのではないだろうか。

恋愛の前に考える。何を目的に付き合うのか。何を求めて付き合うのか。どこまでを相手に期待するのか。将来を期待したいのか、それとも今の時間を大切にしたいのか。

こうした問いを事前に整理したうえで関係を築く人もいれば、交際を通じて少しずつ考えていく人もいる。

冷静すぎる判断に見えるし、恋愛の自由さを失っているように見えるかもしれない。一方で、必ずしも最初から答えをもって付き合っている人ばかりではない。付き合ってから考え始める人もいる。身近な先輩の話を聞く中で、「最初は恋愛のつもりだった」と振り返る声もあった。

一緒にいる時間が楽しくて、付き合った。その時間が積み重なるにつれて、問いが思い浮かぶ。仕事やお金、住む場所や家族。楽しさだけでは答えが出ない話題が増える。そこで初めて、恋愛としての関係なのか、結婚を含む関係なのかを自分に問い直す。考えてから付き合う人、付き合ってから考える人。

恋愛が何なのか、結婚は何を含む関係なのか。この問いについては、学生同士の議論の中でも簡単に結論が出るものではなかった。

好きだけでは続かない?

「結婚は好きだけでは続かない」

これは、今回40代から60代の人や離婚経験のある人に話を聞く中で、共通して語られることの多かった言葉だ。ただしこれは、「好きじゃなくなる」という意味ではない。「好き」という感情にだけ関係を委ねることへの不安を表した言葉として受け取ることができる。

親世代の話で印象的だったのは、「昔は周囲の人が強く関わっていた」という点だった。長女だからこの家がいい、次男だからあそこはどうか。どちらが家に入るか、家や土地、親戚との関係、近所の目。結婚は二人の問題でありながら、完全に二者だけの関係ではなかった。その結果、夫婦の間には家・土地・子ども・親戚・地域といった、感情以外の「つながり」が自然と増えていた。

インタビューを通して感じたのは、結婚には複数の側面があると整理できるのではないか、という点である。

ひとつは、好き・愛情・ときめきといった変わりやすいもの。
もうひとつは、生活・責任・役割などの変わりにくいもの。

昔の結婚では後者の比重が大きく、そのため気持ちが揺れても、すぐに関係が終わるわけではなかった、という話も聞かれた。ある人は「好きじゃなくなったから終わり、とは簡単に言えなかった」と振り返っていた。

現在では、恋愛も結婚も当事者同士の選択に委ねられている。別れることへの心理的なハードルも下がっている。それは生きやすさにつながる一方で、関係を支える要素が「好き」という感情に集中しやすい状況とも言える。そのため、「好きだけでは続かない」という言葉が、今の若い世代にも考える材料として響くのかもしれない。

結婚は、好きの延長という見方もできる一方で、気持ちが揺れたときに何が関係を支えるのかを考える選択肢の一つとして捉えることもできると感じた。

恋愛と結婚は同じでも違ってもいい。
揺れる中立という立場

大学生という立場は、価値観が揺れやすい時期にあると考えられる。筆者自身も、「好き」という感情で動けた学生時代と、責任や生活が意識される社会人生活の間にいる感覚を持っている。自由度が高い反面、あらかじめ用意された答えが少ない状況に不安定さを感じることもある。

恋愛は「好き」だけで成立すると感じる一方で、結婚にはそれ以外の支えが必要だと考える人もいるかもしれない。親世代の話を聞く中で、恋愛と結婚の境界は想像以上に曖昧で、揺れ動くものだと感じるようになった。

アメリカの作家ミニョン・マクローリンは言った。「幸せな結婚とは、同じ相手と何度も何度も恋に落ちることである」と。パートナーに対してずっと恋愛感情を持ち続けていることが幸せな結婚である、とはっきり述べている。これは恋愛と結婚を同一視した意見だといえるだろう。

ドイツの科学者ゲオルク・リヒテンブルクは言った。「恋は人を盲目にするが、結婚は視力を戻す」と。恋愛では相手のちょっとした欠点くらい見ないふりができる。しかし結婚ではそうはいかない。「好きだけでは続かない」のだ。マクローリンとは相対した、恋愛と結婚を分離した見方をしている。

このように、「恋愛」と「結婚」についての議論は太古から脈々と受け継がれてきたものなのだ。先人たちが“唯一の答え”にたどり着かなかった問題に対して、私たちは答えを出すことができない。

しかし、答えを一つに絞る必要はない。答えを一つに定めない姿勢そのものが、相手の価値観を尊重することにつながる、という考え方も成り立つ。現代では、多様な恋愛や結婚の形が存在している。どの形が正しいかを決めるのではなく、それぞれが考え選び取った結果として整理することが大切なのではないだろうか。


 

【「ライフデザインYouth Lab.」とは?】

「ライフデザイン Youth Lab.」とは、Z世代をはじめとする若い世代が、主体的に人生を選択できるようになることを目指す、若い世代から若い世代に向けたライフデザインコンテンツです。

この記事を読んで「私にとってのライフデザインって?」と感じたなら、彼らの活動についてもう少しだけ触れてみてください。
自分らしい未来を描くきっかけに出会えるかもしれませんよ。

【本記事に関するご注意】

本記事は、大学生が恋愛や結婚など「ライフデザイン」について率直に話し合い、その中で出てきた意見や感情をもとに構成を考え、大学生自身によって執筆されています。そのため、内容には強い言葉や極端に感じられる表現、読み手によっては違和感や不快感を覚える可能性のある記述も含まれています。しかし、それらを過度に編集・修正することはあえて行っていません。話し合いを通して生まれた大学生自身のリアルな言葉を共有することに、この取り組みの意義があると考えています。学生の生の声をできるだけそのまま届けることで、読者の皆さんが自分自身の考えと向き合うきっかけになれば幸いです。