「恋に落ちる」とき、男と女どのように違うのか。
恋に落ちる瞬間、あなたはどのような気持ちになりますか?「性別で違いがある」なんて言われますが、今や柔軟で流動的な恋愛事情。男女が恋に落ちるという現象を研究は様々な学問によって解明しようとしていますが、まだ答えにたどり着いてはいません。
「Elite Daily」より、ライターTayi Sanusiさんの恋愛専門家との取材と考察を紹介します。恋する瞬間、男と女どんな差があるのでしょう。
恋に落ちることは、それに伴う不安や苦労に関係なく、人生で最も重大で、新鮮な体験の一つかもしれません。とても深い絆を築く時、私たちの世界観が変わる瞬間があります。しかし、男女関係となると、少し複雑。
恋愛をどう捉えて、どう経験するか、男女の間にどんな違いがあるのかなどは、明確に理解されていません。私たちが恋に落ちると、一体何が起きるのでしょうか?性別によっての違いなのでしょうか。その反面、そんなに単純なものではないのかもしれません。
しばしば、恋愛における男女間の行動の違いは、両者を大いに悩ませます。恋に落ちる時の様子や、誰かに心を奪われた時の行動の変化に、男女差はあるのでしょうか?これらの点を紐解いていきたく、Elite Dailyは、恋愛関係と心理学を専門としたライターで、「Psych N Sex」の編集長でもある、Sasha Aurandさんに詳しい話を聞きました。
ホルモンレベルで違いはあるのか?
Aurandさんによると、女性ホルモンのエストロゲンが、幸福ホルモンとしてドーパミンの分泌を高めている可能性があるそうです。ドーパミンは、喜びに関係した脳部位をコントロールする、主な神経伝達物質。
しかし、「男女間のホルモン反応や化学反応の違いは全ての説明ではない」と、Aurandさん。代わりに、男性と女性の恋愛のアプローチや、誰かに恋する時の様子のほとんどは、私たちのパーソナリティや人付き合いの仕方に関係する、と。
この時点で、“セクシュアリティや、それに関連する感情は、画一的というよりも、多様性を帯びている” という意見に、私達の誰もが同意するはず。でも私が思うに、これと同じことが、恋愛にも当てはまるんじゃないかと。
男女間の類似点や差異について、性別に基づく一般化を行うのは困難。多くの場合、これは 「氏か育ちか」 の長年の疑問に立ち戻ってしまいます。
男女の恋愛は
3つの理論に分類できる
そうは言っても、多くのケースで性別によって人付き合いの仕方に大きな影響を与えているのも事実。そのため、恋愛の点で、男性と女性の行動には、幾つかの傾向があるのです。
Aurandさん曰く、愛に関する複数の研究に目を向けると、現在までに実施された研究のほぼ全てが、以下3つの理論に基づいているようです。
1. ジョン・リーの恋愛類型論
愛には6つのタイプ [アガペ、ルダス、ストルゲ、エロス、マニア、プラグマ] があり、あらゆる恋愛関係は各タイプの組み合わせから成る。
2. スタンバーグの愛の三角理論
愛が愛たるには、親密性、情熱、コミットメントが存在せねばならない。
3. ハザンとシェイバーの愛着理論
生存し繁栄する能力は、安全性と安定性を生み出す、有意義な愛着を抱く能力に依存する。
これらの理論を踏まえたうえで、Aurandさんは以下のように述べます。
「リーの理論に着目すると、男性は、より性愛的で、遊びの要素が強い傾向にあります (エロス、ルダス)。一方、女性は、より実利的で、友愛的で、執着的です (プラグマ、 ストルゲ、 マニア)。私は性別に基づく一般化はしたくないのですが、恋愛に対する態度の一部は、生物学的な傾向に起因しているように思えます」
しかし、恋愛に関する学術論文に目を通しても、それが起こる仕組みが明らかになっていません。
男性は「子孫繁栄の本能」
女性は「防衛本能」
Aurandさんによると、一般的に男性は、性愛的な衝動が強いことで知られていますが、それは、彼らに子孫を残そうとする本能があるからです。この本能のせいで、男性が “セックス” と “深い愛情” を結び付ける可能性は低くなってしまうようで。
一部のケースでは、男性はセックスと恋愛を混同しており、本能を満たすことへのスリルが薄れると、パートナーへの興味を失ってしまうと言います。しかし、男性が本気で誰かに恋をする時、彼らは、より早く、より深く恋に落ちる傾向があるんだそう。
一方、女性は、実利的と執着的の間に分類されがち。生物学的なレベルで言うと、女性は、自分のパートナーが “安全な環境” を与える人物かどうかを、無意識的に調べています。同時に、彼女達は、“物狂おしい” 思いとも戦っているのです 。食事や睡眠をとれずに、彼のことを考えながらボーっとすることしかできない状況がまさにそれ。
男女の間に大きな差はなし
しかし、Aurandさん曰く、“愛” と “欲望” を見分けることとなると、男性と女性の間に大きな違いはなし。
「体内サイクルや、精神面や、キャリア等の状況に応じて、男性が愛と欲望を見分けるのは、難しいことでしょうが、それは女性にも当てはまります。愛には信頼の基盤がある一方で、欲望は、よりスリル志向で、空想的で、肉体的魅力に基づいています」
幸いなことに、良好な関係の構築と維持のような、他の重要な部分では、男性と女性は極めて似ていて、オーランドもこのように説明しています。
「私たちは社交的な生き物であり、孤独に上手く対処できません (人は幸せになるためにパートナーを必要とする、とまでは言いませんが、誰かと一緒にいるのは有益なこと)。あなたを幸せにする、信頼できる人物と人生を共有できる時、健康や仕事など、人生のあらゆる側面に良い影響が及びます。
さらに、たいていの場合より一貫したセックスライフを送れますし、これには、免疫系の強化、肌質の改善、痛みの減少などの、素晴らしい効果が伴います」
基本的に、あなたのパートナーが支援的で、有意義な方法で、あなたの人生に貢献しているのなら、あなたの体には愛着のサインが現れるもの。例えば、パートナーのことが頭から離れなかったり、一緒にいられない時に彼らを恋しく思ったり、有意義な方法で彼らの人生の一部になりたいと感じたり。
その場合、あなたは高い確率で、恋をしています。でも、気をつけてください。その先の道は常に平坦とは限りません。誰かを愛することには、多くの責任が伴うからです。しかし、それらの困難は、最後には報われることでしょう。