Z世代が挑戦する一週間の「スマホ断ち」。デジタルデトックスで見えたものとは
ニューメキシコ州サンタフェにあるセント・ジョンズ・カレッジで、学生主導による「テック・ファスト(技術断食)」が行われた。
スマートフォンやインターネット接続機器を6日間手放すというこの挑戦には、約20名の学生が参加したという。
世界中で若者のスマホ利用制限が議論される中、政府の介入を待たずして、自らの意思でテクノロジーとの距離を見直そうとする学生たちの試みだ。
孤立感からの脱却とリアルなつながり
参加者の一人であるMary Claire Faganさんは、学生たちが常にスマホに気を取られ、休息を求めていることに気づき、この企画を立ち上げたそうだ。
参加を決めた学生たちからは、デバイスによって他者から疎外されていると感じたり、ストレスを感じた時にインスタグラムに逃避してしまう自分を変えたいといった声が聞かれた。
スマホを手放した学生たちは、目覚まし時計を使わずに友人に起こしてもらったり、食堂の黒板を使って伝言を交換したりと、アナログな方法でコミュニケーションを取り始めたという。
これにより、周囲の世界に没入する感覚や、対面での約束を守る重要性を再認識したようだ。
利便性との狭間で揺れる現実
しかし、完全にテクノロジーを排除することは容易ではなかった。
洗濯機の操作にスマホが必要だったり、給与の受け取りにモバイルバンキングが不可欠だったりと、現代のキャンパスライフがスマホ前提で設計されている現実に直面した学生もいた。また、緊急時の連絡手段や学業への影響など、実用面での課題も浮き彫りに。
それでも、多くの学生はスマホがないことで自分自身をより深く知ることができ、退屈や不便さを新鮮に感じたと振り返っている。
一週間が終わった後、溜まっていた通知のほとんどが無意味なものであることに気づき、デジタル生活を見直すきっかけになったという声も上がった。
実験後に残る変化への渇望
テック・ファスト終了後、一部の学生はさらに踏み込んだ変化を求めているようだ。
ある学生はガラケーを購入し、またある学生は寮のWi-Fiを恒久的に遮断することを提案しているという。Faganさんがスマホを確認すると307件の未読メッセージがあったそうだが、彼女は今後も寮の自室にはスマホを持ち込まないつもりだとしている。
この実験は、Z世代の若者たちがテクノロジーへの依存に疑問を持ち、より人間らしい生活を取り戻そうとする潜在的な欲求を示しているのかもしれない。
大学側も、学生の自主的な取り組みを支持しつつ、安全確保とのバランスを模索していく姿勢を見せている。






