妄想は、いつの日か現実に。スマホから「香り」が届く未来はもうすぐそこに
ビデオ通話中、美味しそうな夕食の香りが漂ってきた……なんて経験はないだろうか。
そんなことは幻想にすぎない?いやいや。そう遠くない未来、私たちはスマートフォン越しに香りを共有できるようになるかもしれない。
スマホに仕込む「香りのカートリッジ」
米大学で研究開発中
どうやら米テネシー大学・電気電子工学科にて、そんな人類の妄想を現実するための研究が続いていると「The Conversation」は報じる。
いわく、現在のスマートフォンは音を振動、色を光の三原色としてデジタル化し、再構築することで私たちに音声や映像を届けている。対して香りは、空気中の小さな分子が鼻の嗅覚受容体と結びつくことで感じとれるもの。研究者たちはこの仕組みを応用し、香りの分子を発生させるカートリッジを開発しているらしい。特定の香りのカートリッジを組み合わせることで、理論上は無数の香りを再現することが可能になるという。
デジタル化によって
無限に広がる“香り”の可能性
想像してみてほしい。例えば、旅行サイトでリゾート地の情報を見ていると、潮風や南国の花の香りが漂ってきたらどうだろう。旅への思いがさらに刺激されることは間違いない。さらに、香りの記憶は感情と密接に結びついている。遠く離れた家族とビデオ通話をする際に実家の夕飯の香りがしたら、より強い繋がりを感じられるに違いない。
しかし、実現するには当然課題も存在する。香りの強弱や持続時間の制御、そして安全性の確保など、私たちが完璧に香りを楽しめるようになるまでには、まだまだ長い道のりだ。
それでも、いつか視覚や聴覚だけでなく嗅覚も共有できるようになれば、人々のコミュニケーションはより豊かで温かいものになるかもしれない。その時には、技術を逆手に取った「悪臭テロ」が起きる可能性もゼロではないが……。
👀 GenZ's Eye 👀
香りによるコミュニケーションはもちろんですが、香水やアロマディフューザーのテスターがネットショッピングでできたらとても嬉しいです。店舗では多くの場合トップノートを繰り返し嗅ぎ、頭が痛くなるから。香りのデジタル化が実現すれば、トップ、ミドル、ラストノートを選んで嗅げるようになるかもしれませんね✨