通信は「第4のライフライン」Z世代の約70%が”スマホ依存”を自覚

「自分はスマホ依存症だと思う」。ある調査でZ世代の71.3%がこう回答したらしい。デジタルネイティブ世代であるZ世代にとって、スマホは単なる情報端末を超えた、もっと根深い存在なのかもしれない。

©株式会社BAKERU

インターネットなしの生活は「想像できない」

場を仕掛ける社会実験推進カンパニー「株式会社BAKERU」が提供する、Z世代向けアンケート調査ができる「みんギガ」において、今年10月に実施した調査によると、18歳~25歳のZ世代の71.3%が「自分はスマホ依存だと思う」と回答。

また、同調査においてインターネット接続がない生活を想像できるか尋ねたところ、72.4%のZ世代が「想像できない」と回答している。電気、ガス、水道といった生活に不可欠なインフラと同様に、インターネットがZ世代にとって無くてはならない存在になっていることが浮き彫りになった。

「つながり」の二極化
1人?それとも10人以上?

興味深いのは、Z世代におけるコミュニケーションのあり方だ。週に1回以上連絡を取る友人の数を調査したところ、リアル、オンライン共に「1人」という回答がもっとも多く、それぞれ約30.1%と約49.6%を占めている。 いっぽうでリアルな友人関係では、2~4人程度の小規模グループで交流する傾向があるのに対し、オンライン上では「1人」もしくは「10人以上」と繋がるという二極化傾向が見られた。

これは、コロナ禍でリアルなコミュニケーションが制限された経験も影響しているかもしれない。 大人数とつながるSNS疲れを感じながらも、深く狭い関係に閉じこもることに不安を感じている……そんなZ世代の複雑な心情が垣間見える。

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デジタルデトックスのジレンマ
求めているけど、できない?

同調査で「デジタルデトックスを希望する」と回答したZ世代は、42.8%にのぼる。 その理由としては「睡眠の質改善」(55.9%)、「ストレス軽減」(54.4%)、「時間の使い方の生産性向上」(52.9%)が上位を占めている。いっぽうで、実際にデジタルデトックスを「経験したことがある」と回答したZ世代はわずか17%。 多くの人がその必要性を感じながらも、実際に行動に移せていない現状が浮き彫りになった。

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スマホとの付き合い方
新しいライフスタイルのデザイン

今回の調査結果から、Z世代にとってスマホが生活の基盤となる「第4のライフライン」と化していることが明確になった。 そのいっぽう、デジタル過多によるストレスやコミュニケーションの課題も浮き彫りに。

「スマホ依存」という言葉ですべてを片付けてしまうのではなく、私たちはデジタルネイティブ世代のリアルな実態と向き合い、彼らがより豊かで快適なデジタルライフを送れるようサポートしていく必要がある。デジタルと上手に付き合っていくためのリテラシーを高め、自分にとって心地よいバランスを見つけていくことが、これからの時代を生きる上で、ますます重要になってくるだろう。

👀GenZ's Eye👀

デジタルネイティブ世代の私たちは、ネットのない環境で生活した経験がないため、オンラインを介さずに人と会う方法を知らない。伝言板や公衆電話が姿を消すなか、Z世代の上の世代がスマートフォンをインフラ化していった……。そのため、我々Z世代は自ら依存しているというより、むしろ「依存させられている」のではないだろうか。

Top image: © iStock.com/Andrii Zastrozhnov
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