【実態調査】イマドキの子供たちは、どれくらいお年玉を貰っている?

世間では、今年も「お年玉、何に使おうかな……」と、子供たちからちょっと先の未来に思いを馳せる声が聞こえてくる。

2024年現在における子どもたちは、どれくらいお年玉をもらい、どんな未来を描いているのだろうか。 「学研教育総合研究所」が今年11月に実施した「小学生・中学生・高校生白書2024」から、その実態を探ってみよう。

現代っ子のお財布事情
現実と理想のバランスはいかに

同社が全国の小学生・中学生の子どもを持つそれぞれの保護者、全国の高校生を対象に行った「学生・中学生・高校生白書~小学生・中学生・高校生の日常生活に関する調査~」によると、2024年のお年玉の平均額は、小学生が20,225円、中学生が27,499円、高校生が27,963円という結果に。

前年と比較すると、小学生は839円減、高校生は182円減と、いずれも減少傾向にある。 少子化で子ども1人あたりにもらう金額が増加傾向にあるという意見もあるなか、この結果には、家計を圧迫する社会状況が影響しているとも考えられる。

©株式会社 学研ホールディングス

お年玉の使い道として、従来は「貯金」が定番だったものの、同調査によれば小学生では「貯金」に次いで「おもちゃ」や「ゲーム機・ゲームソフト」がランクイン。 中学生・高校生になると、「洋服・ファッション雑貨」や「外食・レジャー」といった、体験や自己投資にお金を使う傾向が見られる。

将来への不安要素を抱えながらも、"今"を楽しむことを諦めない、Z世代のしたたかな一面が垣間見える結果と言えるだろう。

誰だって「推し」がいる時代

同調査の結果で興味深いのは、「推しがいる」と回答した子どもの割合だ。 小学生は53.4%、中学生は61.8%、そして高校生に至っては70.7%と、7割を超える結果に。 「推し活」は、もはや一部のファンのものではなく、Z世代においては普遍的な文化として定着していると言えるだろう。

なかでも注目すべきは、「推し」のジャンルだ。 小学生男子は「YouTuber」、小学生女子は「アニメ・まんがキャラクター」が人気を集めているのに対し、中学生・高校生になると男女ともに「アイドル」の人気が高まる傾向にある。

これは、成長するにつれて、よりリアルな世界への憧れが強くなることの表れとも考えられる。

では、なぜZ世代は「推し活」にお金をかけるのだろうか。 それは、「推し」に対する応援が、自己肯定感の向上や、日々のモチベーション維持に繋がると感じているからかもしれない。

好きなアイドルの活躍を応援することで、自分も頑張ろうという気持ちになれる。 これは、物質的な豊かさよりも、精神的な充足感を重視するZ世代ならではの価値観と言えるだろう。

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消費行動から見える、Z世代の本質

「推し活」を通した消費行動は、一見すると衝動的なものに思えるかもしれない。 しかし、そこには自分自身の価値観や幸福感を重視するZ世代の確固たる意思が反映されている。 彼らは限られた予算のなかで、自分にとって本当に大切なものを見極め、そこに投資しているのだ。

変化の激しい時代を生きるZ世代にとって、未来への投資も重要。 しかし、それと同時に「今」という瞬間を大切にし、心を豊かにする「推し活」への投資も、決して無駄ではないはずだ。

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