「サンタ卒業」のタイミングと真実の伝えかた。「ヤッホーフルーイング」の攻めた提案
街がイルミネーションで彩られ、心躍るクリスマスシーズン。大人にとってもどこか特別な季節だが、子どもたちにとってはサンタクロースからのプレゼントが何よりの楽しみだろう。
そんななか、日本代表の公認サンタクロースも監修に加わったという、サンタクロースの真実が書かれたメッセージカードが入った「サンタさんからもお願い」セットが発売された。
サンタクロースはいつまで?
子どもたちのリアルな意識調査
「株式会社ヤッホーブルーイング」は、サンタクロースから子どもたちへのお願いが記載されたオーナメント型メッセージカード(全6種)と「銀河高原ビール 小麦のビール」(2本)が入った「サンタさんからもお願い」セットを合計500名にプレゼントすることを発表。
メッセージカードの内容は、グリーンランド国際サンタクロース協会日本代表の公認サンタクロース(パラダイス山元氏)が監修。同氏によれば「毎年クリスマスが近くなると、みなさんはサンタさんへあたりまえのようにプレゼントのお願いをしていますよね。でも、サンタさんからこれまでみなさんにお願いをするということは、ほとんどなかったと思います」という。
気になるメッセージの内容を、チラリとご紹介。
いきものや、おうちにはいらない大きなものはむずかしいです。あと、サンタさんはきかいのそうさがにがてなので、けいたいでんわとタブレットもやめてほしいなあ。
同社によると、1094人を対象とした調査の結果、サンタクロースの存在を疑い始めるのは5歳頃からで、10歳でピークを迎えることがわかった。幼い頃は無邪気に信じていたサンタクロースも、成長とともに「本当にいるの?」と疑問を抱くようになるのは、ある意味自然な流れと言えるのかもしれない。
「信じさせたい」親心と「伝えたい」真実
葛藤と愛情のジレンマ
同調査では、5歳以上の子どもを持つ親365人に向けて、より深い内容の調査を実施。約4割の親が、「子どもからサンタクロースについて聞かれて回答に困った経験がある」と回答している。さらに、サンタクロースを信じている子どもを持つ親276人への質問では、85.9%が「子どもにサンタクロースの存在を長く信じていてほしい」と回答した。
これらの数字は、親が子の夢と現実の狭間で、複雑な感情を抱えていることを如実に表している。愛する我が子の純粋な気持ちを尊重したい気持ちと、いつか訪れる「真実」を伝えるべきかという葛藤。そこには、親としての子育てに対する深い愛情と責任感が垣間見える。
親が伝える「サンタクロース卒業」
新たな親子のチャプターへ
では、サンタクロースの存在を信じなくなった子どもたちは、どのような理由で「卒業」したのだろうか。同調査によると、もっとも多かった回答は「友人から聞いた」(25.3%)、次に「親から聞いた」(17.1%)だった。注目すべきは、「親から聞いた」と回答した割合の高さ。
これは、子どもがサンタクロースの存在に疑問を抱いた時、親が真正面から向き合い、真実を伝えた結果だと解釈できる。もちろん、子どもによって受け止め方はさまざまだろう。しかし、嘘だと知った時、親子の信頼関係が損なわれるのではなく、むしろより深い絆で結ばれるケースもあるはずだ。
近年、クリスマスの過ごし方は多様化しており、「サンタクロースからの贈り物」という従来の形にとらわれない家族も増えている。家族でクリスマスツリーを飾り付けたり、手作りケーキや料理を楽しんだり、クリスマスキャロルを歌ったりと、それぞれのスタイルでクリスマスの時間を満喫している。
サンタクロースの存在を「信じる」「信じない」に関わらず、大切なのは親子でクリスマスの喜びを分かち合い、温かい思い出を作り出すこと。そして、子どもが成長した時、サンタクロースの「真実」をどのように受け止め、家族の物語として紡いでいくのか。クリスマスは、そんな親子の未来について考える、かけがえのない機会を与えてくれるのかもしれない。
👀GenZ's Eye👀
自分でなぜか疑問を持ち、眠い目をこすりながら頑張っていたことが懐かしい。誰も強制していないのに、冬休み前の話題はいつも「サンタさんに何をもらう?」だったのが本当に不思議だ。サンタの正体が親だとしても、プレゼントが届くという事実は"サンタがいる"ということ。だからこそ、家族で話し合って真実を伝える機会をつくるのも素敵だと思う。
『「サンタさんからもお願い」セット』