あの「Blackberry」がデジタルデトックスとして注目されている?
先日紹介したHPの旧式電卓に続き、今度は「レトロスマホ」なるガジェットが話題になっているらしい。
皆さんは覚えているだろうか。iPhoneやAndroid端末が普及する以前に高性能携帯電話として名を馳せていた、“元祖スマートフォン”ことBlackberryを。
2010年頃に全盛期を迎えていた端末で、物理キーボードの搭載やモバイル環境下でのネット接続、高いセキュリティなどが特徴だった。
本家によるハードウェア開発は終了されてしまったが、いま、新たな観点から名機にスポットライトが当てられている。
こちらは「Beepberry」、Blackberryを模した最新のデジタルガジェット。
シャープ製のLCDディスプレイとBlackberry Classicのキーボード、RaspberryのPi Zero W(コンピュータ)を組み合わせたDIY製品で、ガラケー時代の哀愁漂うレトロなデザインだ。
目的はシンプル、「スマホ中毒を脱する」こと。
デジタルデトックスというと、あらゆる電子端末から離れて生活するのが一般的だが、凄まじい数の機能による疲労から離脱するためとはいえ、現代人にとって「連絡手段がない」のは問題。
ということで、自社製の「Beeper」(WhatsAppやiMessageなどのメッセージプラットフォームを融合したアプリ)の利用を軸としたミニマルな仕様に。
プログラムはオープンソースなので、ユーザーが様々な新機能を追加することも可能。例としては、天気情報の取得や簡素なゲームプレイなどが挙げられている。
ただし、現行モデルはプロトタイプであるため、ケースのない基板剥き出しの丸裸状態。実際に運用するためには、3Dプリンターなどを駆使してケースを自作したりバッテリーを手動で接続する必要があるなど、一般人が使うにはかなりハードルが高いかもしれない。
ある程度のプログラミング技術や(ケースのための)3Dプリンタの運用技術なども要求されるため、主にIT系のエンジニアやテック関係者のデジタルデトックスを促す用途のデバイスであるようだ。
やや高めのハードルとは裏腹に、99ドル(CPU無しは79ドル)と安めの値段設定やレトロな外見も相まってかなり人気らしく、既に公式サイトでは完売している。
プロトタイプの好評を機に(一般人でも使えるような)アップグレード版の発売にも期待したいところ。
開発元の「SQFMI」は、「Beepberryはノスタルジアから生まれたもの。私たちは、モノクロディスプレイや物理ボタンの触り心地のような、今は亡き懐かしの体験が恋しいのです」とコメントしている。
デジタルデトックスを促しつつも、現代人にとって必要最低限の機能だけは確保。これ、地味に新しい形のデジタル・ウェルビーイングかも。
8〜9月にかけて再販が予定されている。気になる人はコチラから。