スーパーヒーローより“共感できる男性像”。Z世代が求める新しい男性キャラクター

映画やドラマの世界では長らく、孤高のヒーローが物語の中心に据えられてきた。しかし、若い世代の視聴者はそうした男性像に必ずしも共感していない可能性があるようだ。

米国の研究機関であるCenter for Scholars & Storytellersが発表した調査「Teens & Screens Survey」によれば、10歳から24歳の若者は、従来のヒーロー像よりも「他者と関係を築く男性キャラクター」を好む傾向が示されたという。

調査では、「子育てを楽しむ父親」や「子どもに愛情を示す父親」といった描写を、減らすべきだと考える回答よりも約5倍多くの若者が望んでいた。この結果は、男性キャラクターに対する期待が変化していることを示唆している。

孤独なヒーロー像への違和感

エンターテインメント業界では長年、「若い男性視聴者は寡黙で独立したヒーローを好む」という前提が共有されてきた。こうした認識は、多くのスーパーヒーロー映画やアクション作品の構造にも反映されている。

Doctor Strangeのように強大な力を持つ主人公が世界を救う物語は、ハリウッドの主流フォーマットとして定着してきた。

しかし今回の調査結果からは、若者が必ずしもそうした「孤独な英雄」を理想としているわけではない可能性が見えてくる。

むしろ、他者との関係性の中で成長する人物像の方が、現代の若い視聴者にとって現実味のあるものとして映るのかもしれない。

共感と関係性を重視する“新しい男性像”

研究者たちは、こうした傾向を「Connected Masculinity(つながりのある男性性)」という概念で説明している。これは、力や権威だけでなく、共感や感情表現、他者との関係性を重視する男性像を指す考え方だ。

その例として調査が挙げたキャラクターの一人が、医療ドラマ『The Pitt』に登場する医師、Dr. Michael “Robby” Robinavitchである。俳優のNoah Wyleが演じるこの人物は、完璧なヒーローではなく、失敗や葛藤を抱えながらも若い医師たちを導く存在として描かれている。

調査の分析では、メディアが長年「寡黙な稼ぎ手」や「距離のある英雄」を男性像の標準としてきた点も指摘されている。

権力や身体的強さばかりを強調する表現は、若者が重視する役割──共感、忍耐、感情的なつながり──を十分に描いてこなかった可能性があるという。

2025年版の調査は、アメリカ国内の10歳から24歳までの若者1500人を対象に実施された。こうした結果は、エンターテインメント業界がこれまで想定してきた「若者が望む男性ヒーロー像」を見直すきっかけになるのかもしれない。

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