若者が支える“チャリティー古着店”。英国で広がる“リユース消費”の波

英国のチャリティーショップが若い世代の支持で売上を伸ばしている。

VintedやDepopなどの中古ファッション文化の拡大が、高騰するコストに苦しむ小売業界の中で新たな追い風になっている。

若者の古着ブームがチャリティーショップを後押し

英国のハイストリート(中心商店街)で、チャリティーショップの存在感が高まっている。背景にあるのは、若い世代を中心に広がる中古ファッションへの関心だ。

業界団体のCharity Retail Associationによれば、2024年のチャリティーショップの売上は平均で1.4%増加。これは英国の非食品小売全体の伸び率を上回る数字だとされている。

若者が中古衣料を探す際に利用するプラットフォームとして、VintedやDepopといったサービスの影響が大きい。

オンラインで広がったリユース文化が、実店舗のチャリティーショップにも波及しているとみられている。

こうした流れは、慈善団体の店舗事業にも。

国際NGOのSave the Childrenでは、小売売上が前年比で3%増加したと報告されている。特に年末商戦では伸びが顕著で、12月の売上は前年同月比で11%増となり、1カ月だけで100万ポンド以上の資金を調達したという。2025年初頭も販売は堅調に推移している。

また、英国最大級のチャリティー小売事業者の一つであるBritish Heart Foundationも、店舗での取引が前年を上回っていると説明している。

同団体はオンライン市場でも活動しており、eBayのチャリティー販売者としても大きな存在だ。

それでも収益は難航

一方で、売上が伸びても利益確保は容易ではない。最低賃金の上昇や雇用保険負担、エネルギー価格の高騰がチャリティー小売の経営を圧迫しているためだ。

英国のチャリティーショップ数は、家賃や光熱費の上昇などを背景に前年から約80店舗減り、4,304店舗となった。

それでも業界全体としては、完全な縮小ではなく「再編と統合」の段階にあると関係者はみている。

店舗面積はむしろ拡大しており、大型店舗化によって商品数を増やす動きも広がっているという。

若いボランティアが支える新しい店舗運営

チャリティーショップの変化を支えているのは、若いボランティアの存在でもある。

Save the Childrenでは、新規ボランティアの42%が18~24歳となり、2021年の28%から大きく増加。平均年齢もこの5年間で14歳下がり、現在は28歳になったという。

若い参加者が増えたことで、店舗は地域に合わせた商品展開を行いやすくなった。大学の近くではヴィンテージ衣料を前面に出すなど、ターゲット層を意識した売り場づくりも進んでいる。

オンライン中古市場の拡大は、寄付される衣料の競争を激しくする側面もある。

それでも、持続可能な消費を重視する若者の価値観が、チャリティーショップに新たな活気をもたらしているようだ。

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