満腹感が続く「食べるサボテン」、我慢しない体重管理の新しい選択肢
綿半ホールディングスのグループ会社「綿半トレーディング」と、藤田医科大学発の腸活ベンチャー「バイオシスラボ」が、食用ウチワサボテン「SABOVEG(サボベジ)」に食欲抑制の可能性を見出したと発表しました。
サボテンを「食べる」という驚きの提案、その中身を紐解きます。
「我慢しない」体重管理の新提案
ダイエットといえば、カロリー制限や糖質オフなど「何かを減らす」アプローチが主流でした。しかし近年、過度な食事制限がリバウンドやメンタルヘルスの悪化を招くケースも広く知られるようになっています。
そんな中で注目を集めているのが、「自然な満腹感を活かして食べ過ぎを防ぐ」という発想です。綿半トレーディングとバイオシスラボの共同研究チームは、成人女性17名を対象にクロスオーバー試験を実施。食用ウチワサボテンを配合した飲料を摂取したグループでは、対照飲料を摂取したグループと比較して、摂取後3時間にわたり満腹感が長く持続し、空腹を感じにくくなる傾向が認められたとのことです。
さらに、食欲や摂食欲求に関する指標でも抑制傾向が確認されたといいます。同社らはこの知見をもとに、食用ウチワサボテンの「食欲抑制用途」に関する特許を出願しました。
「食べることそのもの」で満足感を得ながら、結果的に食べ過ぎを防ぐ。我慢ではなく満足から始まる体重管理は、多くの人にとって心理的なハードルが低いのではないでしょうか。
サボテンが「次世代野菜」になる理由
そもそも、なぜサボテンなのか。食用ウチワサボテンは、メキシコをはじめとする中南米では古くから食材として親しまれてきた植物です。豊富な食物繊維やミネラルを含み、栄養面でも優れた特徴を持っています。
さらに見逃せないのが、その環境適応力の高さです。乾燥地域でも栽培可能で、少ない水資源で育つウチワサボテンは、国連食糧農業機関(FAO)も将来の食料資源として期待する作物のひとつ。気候変動や水不足が深刻化する時代において、「環境にやさしい食品素材」としての価値は今後ますます高まっていくことがうかがえます。
綿半トレーディング代表の岩元剛氏は「SABOVEGは環境にも人にもやさしい次世代野菜」とコメント。バイオシスラボ代表の栃尾巧氏も「食欲のコントロールは健康維持において重要なテーマ」であり、「自然な形で満腹感の維持に寄与する可能性が示された」と述べています。
食卓に届く日は近いのか
今後は機能性表示食品や健康食品、飲料、サプリメントなどへの応用を検討しつつ、さらなる科学的エビデンスの蓄積に取り組む方針とのこと。
昨今、GLP-1受容体作動薬のような医薬品による食欲コントロールが話題を集めていますが、日常の食事に自然に取り入れられる食品素材というアプローチは、より多くの生活者にとって身近な選択肢になり得るはずです。「棘のある観賞植物」だったサボテンが、私たちの健康と地球環境の両方を支える食材へと変わろうとしている。その転換の物語は、まだ始まったばかりです。






