NY市が動き出した!「砂糖摂りすぎ」警告ラベル義務化
タバコのパッケージに健康被害についての警告文が記載されているのは周知の事実。では、砂糖については?
米ニューヨーク市では、砂糖の過剰摂取を予防するため、新たな警告文を義務付けることになるようだ。
添加糖分50グラムの壁
「New York Post」が報じたところによると、市内のファストフードチェーンやコーヒーショップなどで、メニューボードやパッケージには以下の警告文を記載が義務づけられるんだそう。
「Eating too many added sugars can contribute to type 2 diabetes and weight gain(砂糖の摂りすぎは2型糖尿病や体重増加につながる可能性があります)」
なんともおせっかいな、いやいや親切な警告文ではないか。じつはこれ、チェーンレストランなどのメニュー項目に添加糖分の通知を義務付ける「Sweet Truth Act(スイート・トゥルース法)」によるもの。
米国の食事ガイドラインで定められている砂糖の1日当たりの推奨摂取量が50グラム未満であることから、添加糖分が50グラムを超える食品や飲料に対して警告文の掲載がマストとなったというわけ。
もちろん、「食べるな!」と言っているわけではなく、そこは自己責任でどうぞという姿勢。ただ、これらの商品を平らげてしまうと、一発で推奨摂取量に達してしまう。ゆえの警告。それにしても、50グラムと言われてもなかなかピンとこないもの。
以下、栄養と健康に関する監査団体「Center for Science in the Public Interest」より一例を挙げてみよう。
【マクドナルド】
ミディアムサイズのコカコーラ(946ml):56グラム
【スターバックス】
グランデサイズのキャラメルフラペチーノ(470ml):54グラム
いずれもアメリカンなサイズではあるが、体の大きな彼らなら軽々飲んでしまう量に違いない。これに加えて他にも添加糖分の食事をしていくと……言わずもがなな結果が待っているわけだ。
ありがたい?おせっかい?
NY市の強行策
では、なぜ警告までしてNY市が砂糖の過剰摂取にアラートを発するのか?現在、ニューヨーク市における早期死亡のおもな原因のひとつが「糖尿病」なんだそう。健康維持の起爆剤として、ニューヨーカーの間でどう警告文が受け入れられるのか、注目したいところだが……。
義務化に対しての反応はさまざまなようで、は「おせっかいな国家、おせっかいな都市」と真っ向から批判する州保守党のジェラルド・カッサー委員長意見をNYPは紹介する。
すでにカロリー表示は当たり前となったアメリカにおいて、以前、筆者がロサンゼルスのバーガーチェーンを訪れたときのこと。メニューボードに表示された「1日の推奨摂取カロリーは2000kcal」の文字を見たとき、食事に対する興味が一気に冷めていくのを感じた。
「ありがた迷惑」なんて言葉が日本にはあるが、今回の義務化を「おせっかい」だと批判的な意見が散見されるのも理解できなくはない。実際にどのくらいの効果が発揮されるのか?掲示は2025年までに実施される予定だそう。