徳之島コーヒー、44年目の「普通の一杯」。南青山のロースターに並ぶまで
国産コーヒーと聞くと、どこか「珍しいもの」「お土産もの」というイメージが浮かびませんか。桐箱に入った限定ギフト、イベント会場でだけ飲める一杯──。鹿児島県・徳之島で約44年にわたって育てられてきたコーヒーが、その枠をそっと抜け出そうとしています。
「応援消費」の外側へ、
44年かけてたどり着いた棚
徳之島は、奄美大島や沖縄本島北部とともに世界自然遺産に登録されている島。標高100メートルほどの圃場で、複数の品種が栽培されています。
その歴史は1982年頃の苗植えにまで遡ります。台風の直撃、限られた設備、手探りの栽培技術。それでも島の生産者たちはコーヒーの木を絶やさずに繋いできました。
2017年には伊仙町役場・徳之島コーヒー生産者会・丸紅・味の素AGFの4者が生産支援プロジェクトを発足。2025年からは「徳之島コーヒーアイランドプロジェクト」へと発展しています。
ただ、これまで徳之島コーヒーが飲めるのは島内やイベント会場がほとんど。「珍しいから買う」「応援したいから買う」──その気持ちは尊いけれど、それだけでは産地の未来は続きません。
南青山で「普通に」飲める、
という革命

転機は、味の素AGFの担当者と南青山のコーヒーロースター「Little Darling Coffee Roasters(LDCR)」のバリスタとの親交から生まれました。
焙煎を担うのは、ラテアートの世界選手権で2位に輝いた経歴を持つ赤川直也氏。実際に徳之島を訪れた赤川氏が目にしたのは、手作業で丁寧に管理された圃場と、無理に飾らず日常を淡々と生きる島の人々の時間だったそうです。
「この豆は、珍しさではなく味で勝負できる」──その確信が、都内ロースターとして初めて徳之島の豆を仕入れ、店頭で淹れて出す仕組みにつながりました。
2026年9月1日、株式会社FARMER YOUが手がける「ECHO COFFEE」シリーズ第四弾として、徳之島産100%の「ECHO COFFEE TOKUNOSHIMA」が発売されます。シリーズ初の国産です。
豆100gが2,400円、ハンドドリップ1杯が1,000円(いずれも税込)。産地や品種の個性を重視した高品質なスペシャルティコーヒーとしては、決して飛び抜けた値段ではありません。つまりこれは「限定○箱の記念品」ではなく、都市のロースターの棚に並ぶ「普通に選べる一杯」なのです。
「珍しさ」の先にある味を、
ちゃんと届ける


味わいには、徳之島の黒糖やきび糖を思わせる甘みと、トロピカルフルーツのような果実味があるとのこと。「ECHO」とは「反響」。生産地と消費する側の想いを互いに響きあわせたいという願いが、シリーズ名に込められています。
応援消費は入口としてすばらしい。でも、その先に「味で選ばれる」段階がなければ、産地は持続しません。44年という歳月は、珍しさを売りにするための時間ではなく、「普通の一杯」として選ばれるだけの品質を育てるための時間だったのかもしれません。
ECHO COFFEE TOKUNOSHIMA
【発売日】2026年9月1日(火)※8月25日より予約販売開始
【価格】豆100g 2,400円 / 200g 3,500円 / ハンドドリップ1杯 1,000円(すべて税込)
【販売場所】Little Darling Coffee Roasters(東京都港区南青山1-12-32、営業時間 09:00〜19:00)およびECサイト
【備考】在庫がなくなり次第終了






