【口ベタな人必見!】伝説のCAが実践している、会話を弾ませる「5つのコツ」
ANA(全日空)のCA(客室乗務員)を25年間にわたり務めてきた里岡美津奈さん。その間には、天皇皇后両陛下や各国首相・国賓の特別機をアテンドした経験も。
そんな彼女が、心に響いたひと言を紹介しながら、超一流のコミュニケーション力を身につける秘訣をまとめた書籍が『伝説のCAの心に響いた 超一流のさりげないひと言』だ。
今回は、そのなかから口ベタでコミュニケーションが苦手だという人に、会話がうまくいくためのコツを抜粋して紹介!
01.
口ベタであることに自信を持つ
接待の現場で働く人たちの多くが、「コミュニケーションのためには、たくさんしゃべる必要がある」という強迫観念に捉われすぎているように思います。しかし多弁、能弁であるのと、コミュニケーション能力があるのとは、また別の話なのです。
自分は話がうまいと思っている人は、いつでも会話の中心にいたくて、いつのまにか他の人の話を取ってしまったり、一方的にしゃべりまくって相手を疲れさせたりすることがあります。
口ベタな人が勇気を振り絞って口に出した言葉は、相手が真剣に耳を傾けます。少ない言葉だからこそ聞き流せません。言葉が印象に残りやすいのです。
ですから、口ベタを直すのではなく、むしろその持ち味を活かして、口ベタの自分だからこその話し方、伝え方を身につけて伸ばしていけばいいのです。
02.
3:7の会話の比率を心掛ける
口ベタでうまくしゃべれないことを悩んでいる人と、ついしゃべりすぎてしまう人、一見真逆のようですが、根っこにある問題は共通しています。どちらも「自分」に捉われすぎているのです。自分がどう思われるかということに意識をフォーカスしすぎるあまり、極度に不安を感じてしまっているのです。
「話がはずんで心地いい」と感じるときの会話の比率は、3:7だとよく言われます。自分が話すのが3、相手の話を聞くのが7くらいのイメージで会話をすると、相手は「今日はいろいろ話せて気持ちよかった」と感じるようなのです。
自分が話すのはその程度で十分、そう考えると気がラクになりませんか。
03.
沈黙を怖れない
「雄弁は銀、沈黙は金」という格言があるように、沈黙の間はそんなに怖いものではありません。
実際、“本物”の超一流の方たちは沈黙を怖れないのです。語るべき場と語らざるべき場を心得ていて、冗舌に話すことの大切さ以上に、沈黙すべきことの大切さをわきまえているからです。
最近はソーシャルメディアを通じての失言が増え、いろいろなところで問題になっています。誰もが気軽にメッセージを発信できるようになった結果、まさに「口が禍のもと」になっているわけです。
04.
言葉以外のアプローチも大切にする
言葉はコミュニケーションの重要な手段ですが、言葉だけが気持ちを伝える方法ではありません。
表情、目づかい、息づかい、しぐさ、姿勢、態度……その人の身体が発するものも重要なコミュニケーションの道具です。
にっこりと笑顔を向ければ、相手は歓迎されていると感じます。動きがきびきびしていると、はつらつとしたやる気、すがすがしさを感じます。
こうした「非言語(ノンバーバル)コミュニケーション」がちゃんとできる人は、会話の途中で言葉が途切れても、あまり間を怖れません。口ベタだと言う人も、メールやSNSを利用してのコミュニケーションはできています。むしろ慣れていないのは、人とじかに触れ合うときの言葉以外のアプローチなのです。
ノンバーバルの身体的アプローチは、意識して積極的にひらき、習慣化していくことで磨かれていきます。それらを効果的に駆使することで、より気持ちを伝え、言葉を活かすことができます。
05.
状況に応じて言い回しを変える
言葉とその伝わり方は、とても微妙です。
たとえば、機内で自分の荷物を足元に置いておかれるお客さまに対して「足元のお荷物を上の物入れにお入れしてもよろしいでしょうか?」と声をかけても拒否されたり、むっとした顔をされることがほとんどです。
ところがこれを「よろしければお荷物を上にお入れしましょうか?」と言うと、判断の主体がお客さま側にあるため、「頼もうかな」と言われることが多くなります。
状況、場面、タイミングで、相手にもっとも伝わりやすいのはどういう言い方なのか、どんな言葉なのか。たくさんボキャブラリーのストックがあれば、その場に本当にマッチした適切な言葉を選ぶことができますから、読む、見る、描く、聴く、話す、さまざまなかたちで言葉磨きをする必要があります。
『伝説のCAの心に響いた 超一流のさりげないひと言』
コンテンツ提供元:里岡美津奈
人材育成コンサルタント。1986年全日本空輸株式会社(ANA)に入社。25年の在職中、国内線、国際線のチーフパーサーとして乗務。そのうち15年間はVIP特別機搭乗を務め、皇室、各国元首脳の接遇で高い評価を得る。2010年に退職。現在は人材育成コンサルタントとして、一般企業や病院でコミュニケーションスキルアップの指導にあたっている。また個人のクライアント向けに“パーソナルクオリティーコンサルタント”として人材育成を行っている。米国法人旅行コンサルタント会社“Japan Quest Journys”の取締役としても活躍中。