会話が弾むコミュニケーションのコツは、「5つのポイント」をおさえるだけ!
会話の輪に飛び込めない人、商談前の雑談が苦手な人、異性との会話で緊張してしまう人・・・自分の「会話スキル」に不安を感じているという人は案外多いもの。でも、上等なテクニックなど必要ありません。まずはここから紹介する5つのワザをおさえましょう。
01.
「あいさつ」を意識するだけで、
話しかけられやすさは
120%UPする。
キツい表現になりますが、あいさつができない人が会話を弾ませることなどありえません。「会話が苦手なんだから、あいさつできないのもしょうがない」という考えを持っていたら、いますぐその考えを改めてください。あいさつは「できる、できない」で考えるものでも、「上手い下手」で考えるものでもありません。社会生活を送るマナーとして「必ずするもの」。
たとえば、結婚式の披露宴に参加したとします。あいにく自分の卓は知らない人ばかり。楽しく過ごすためにはどうしたらいいでしょうか。 共通の知人がいる時点で明らかに「赤の他人」ではありません。ならば、会話が弾むかどうかなど意識せず、ただ、あいさつをするだけです。それには勇気も技術もいりません。ぎこちない表情でもか細い声でも十分。あいさつをしないより100倍マシです。
同僚やパーティーの参加者、ご近所さんなど、同じ時間や空間を共有している人同士なら、とりあえずあいさつ。それだけで接点が生まれ、新たな人間関係が構築され、会話に繋がっていきます。
02.
「世間話」は相手との
距離を測るものさし
この一線を越えられると不快、と思う心理的な縄張りのことを「パーソナルスペース」と言い、心が打ち解けていないのに縄張りに入られると、人は気分を害すものです。そのため、会話では相手との心理的な距離感(親密度)を常に意識しないといけません。だからこそ、初対面同士なら当たり障りのない世間話からはじめて、徐々にその間合い(関係性)を縮めていくことが大事なわけです。
相手の反応が薄いと、むやみに焦ったり、「私のこと嫌いなのかな」と自己否定に陥ってしまうのが会話下手な人の特徴。そうではなく、「もう少し世間話で関係性をほぐさないとな」と冷静に戦略を立てればいいのです。
03.
家族構成、趣味、出身地
相手の心をつかむ“ネタ”は
つねに意識を!
いつもお世話になっているクライアントを接客する席。会話のネタが尽きてしまいました。ひとつの例として、こう振ってみるのはどうでしょうか。
「息子さんもう小学生でしたっけ?」
誰だってみな、等しく「親バカ」ですので子ども話は手堅いネタ振りです。しかも、相手にとって大切な家族にまで興味を持っていることが伝わるので、あなたへの好感度も上がります。とくに子どもネタは、年齢を一度聞き出してしまえば毎年使える便利な話題でもあります。 何気ない会話の中で得た相手の情報を「記憶」する習慣をつけておくだけで、対人関係はかなり変わります。
「この人と良好な関係を築きたい」と思ったら、家族構成、趣味、出身地、出身大学など、一度聞いた話はスマホなどにメモしておきましょう。相手の話したことを覚えておく行為は、最大の敬意であり、関心あることを示す強力な手段にあります。
04.
話しかけられ上手になる
最初の一歩は「笑顔」から
大勢の人が集まる会話の輪に入っていけないと悩む人は多くいます。じつはその気持ちが態度として表れてしまうので、周囲が話しかけづらい状況なのがほとんどです。マイナスの感情は周囲に伝播し、人は本能的にそういった人たちを避けようとします。
一方、話しかけられ上手な人は、いつも穏やかな表情で、ハキハキしゃべり、姿勢もよくて、目配りのできる人です。と言いつつも、ここまでの完璧さを求める必要はありません。話しかけられ上手への第一歩は「笑顔」です。楽しいことを考えていれば自然と表情や仕草も軽やかになり、周囲を明るくします。最初のうちは作り笑顔でも構いません。「あ、今の自分、暗い表情をしているかも」と自覚したら、騙されたと思って少し口角を上げてみてください。
05.
相手の心の壁を崩すには
プライベートトークを
小出しにしてはさむ
自分の内に秘めているものやプライベートなことを相手に開示して親密さをアピールすることで、相手の心を開いていく方法を「自己開示」といいます。
表面的な付き合いの人にはあまり話さないような自分の経験、弱み、考え方、趣味嗜好などを早い段階で開示することで「自分はここまで親密になりたいんですよ」という意思表示ができます。そうすることで、相手の信頼を勝ち取るだけでなく、自己開示をしてくれたことに対する感謝の気持ちも生まれるので、その結果、会話も弾みやすくなります。とくに接待のような硬い席をほぐしていくには欠かせないテクニックです。
『会話が弾むのは、どっち!?』
コンテンツ提供元:ワニ・ブックス
(株)櫻井弘話し方研究所代表取締役社長(株)話し方研究所顧問。製薬、金融、サービス、IT関連等の民間企業をはじめ、人事院、各省庁、自治大学校、JMAなどの官公庁・各種団体等でコミュニケーションに関する研修・講演を手がけ、研修先は1,000以上に及ぶ。近著に『大人なら知っておきたい、モノの言い方サクッとノート』(永岡書店)、『仕事ができる人は、なぜ「この話し方」をするのか?』(KADOKAWA/中経出版)など。