警察官も感動!ロンドンで突然、洋服を脱いだ女性の「勇気」とは?
「私のような摂食障害や自尊心で苦しんでいる人たちのために立っています。ありのままを受け入れてくれるのなら、身体にハート(♡)を描いてください」
1枚のサインボードに書かれたメッセージ。これは、ある奇跡の瞬間を映した社会実験動画です。ロンドンの繁華街で、多くの人々が行き交うなか、街角に立つ一人の女性。意を決したように、彼女は洋服を脱ぎはじめました。
脱いだ服が地面に落ちた。目隠しをつけると、一瞬、大気をかき混ぜたような混乱を感じた私。最悪のシナリオが頭の中をよぎる。このチャレンジが失敗に終わり、ただ嘲笑にさらされる下着姿の私。
日曜日のランチタイム、ピカデリーサーカス。無数の人々のおしゃべりが聞こえてくる。それがすべて自分に向いているような、恐怖感が襲ってくる。下着姿になった私は、どうしようもない脆さから、自分自身を救い出す術がなかった。自由への船出のためとは言え、まったく個人的な理由から、観光客や休日を楽しむ家族に、私の下着姿が不快に思われないか…そればかりを心配していたのかもしれない。
まるで数分が永遠のように感じた。普通、こういった社会実験の場合、数人がさくらとなって、見物人の中に紛れ込むもの。でも、それはテレビの中だけの世界だということを私は知っている。「与えられた身体に感謝し、自分自身を愛し好きになること」それがどんなに大切なことなのかを、小さい頃、父からよく言い聞かされていた。もし、私の身体がハートで満たされたなら、そのとき、きっとこの世界で多くの人が抱えている同じ悩みをもっと深く理解できるはず。私たちは子供の頃からみんな、とっても個性的でキレイだってことを。そしたら、もっと世界は違って見えるはずだ。
突然、左手のペンが私の指先からすっと抜けていくのを感じた。肌をなぞるフェルトペンの感触を、一生忘れることはないだろう。これまでに感じたこともないような、深い愛情が全身に満ちていくのを感じた。ただ、涙が止めどなく溢れて。
誰が最初に描いてくれたのか知る由もない。だけど、本当に感謝してもしきれない気持ち。だって、その人の行動がまるで人々を解き放ったみたいに、次から次に両手のペンが離れては戻り、私の全身は愛で包み込まれていったのだから。
この実験の主人公、彼女の名前はJae Westさん。彼女はこの経験を通して、真に心の闇を抱えている人々の気持ちを、少しでも共有することができたと、自身の体験を記事にしました。
ここにご紹介した内容は、彼女が実際に下着姿で公衆の場に立ち、感じた不安、恐怖、感動、そして喜びを文面から抽出したものです。
肌の色、顔、考え方、宗教、あらゆる違いを超えて、愛と人間性でつながり合う世の中、それが真の解放と唱えるソーシャルコミュニティ「The Liberators」によって制作されたこの動画。公開からわずか10日ほどで、すでに300万回再生を記録しています。
ところで、この実験が終わるまでロンドンの警察官は、ただ黙って、ずっと一部始終を側で見守っていました。そして、彼女が洋服を着たあとで、そっとハグを交わし、Westさんの勇気ある行動を讃えたそうです。
Licensed material used with permission by The Liberators