何気ない日常に「メッセージ」で気づきを与えるアーティスト
誰もが目にしているはずなんだけど、見過ごしてしまうような街の風景。それをアート作品に昇華させるMichel Pederson氏。2013年から、このインスタレーション活動を開始しました。ちょっとしたイタズラとも思えるような、彼のユーモアある作品が、じわじわと心の芯に刺さってきませんか?
01.
どうか、そっとしておいて。
02.
これが、唯一の脱出方法
逃げ道を確保するには…地球の反対側に向かって、とにかく穴を掘ること。必要なもの。①シャベル②強靭な筋力③十分な水と食料④友達、家族、Wi-Fiから、長期間離れることができる意思⑤そして、決意。
03.
呼吸測定器
もしも、過呼吸気味に感じているのなら、この時計の針をよく見ながら、吸って吐いてのペースを合わせてごらん。呼吸がゆっくりになるまで続けること。楽なリズムになったら、ここを離れても大丈夫。
04.
ここで待ってて!
もうすぐ、未来のあなたが会いにやってくる。それまで、じっとここで待ってて。
05.
シーッ、ここにいるって
誰にも言わないでよ
06.
電線の上に引っかかった
スニーカー
頭上の電線にぶら下がったシューズは、13歳の少年がうんざりして放り投げた結果、1989年の11月12日以来、ここにひっかかったままになっています。あるじを失った孤独なシューズは、どんな天候にもめげずにここに留まり続け、現在、電線にぶら下がった世界最長記録を保持しています。
07.
出口はこちらでーす
08.
この場所での
気まずい沈黙の歴史
このベンチにおける気まずい沈黙の最長記録は、2011年5月4日ここに座った3人の友達(ハンナ、クリス、エイダン)によって記録されている。クリスが昔話を持ち出したとき、エイダンは彼が話を自分のいいようにすり替えていると指摘した。ヒートする二人のやりとりを聞いていたハンナは、彼らに「誰だって遠い昔の記憶は曖昧」と、仲裁に入ったものの功を奏せず。4分32秒の沈黙をもたらした。
09.
天気の話なんて、
聞きたくもないよ
10.
主人の帰りを
じっと待つアームチェア
2015年2月3日、仕事で失敗を犯したマーティン・ヒルは、肩を落として自宅に戻ってきた。そのままこの椅子に深く腰掛け、その夜、忽然と姿を消した。心配した家族は、議論の末このアームチェアを外に出すことに決めた。新鮮な空気にあて、日々の喧騒のなかにさらすことで、もしかしたら彼が戻ってくるかもしれないと願ってのことだ。みなさん、腰掛けないでくれてありがとう。
11.
隠すことなんてできないのさ
「都市に暮らしていると、あまりのスピードに私たちは、ほとんどのものを目の隅に捉えただけで見た気になってしまう。だけどそれは、真実を見過ごしてしまっているということなのです」
誰も気づかないものに気づきを与える。自身の作品のコンセプトを「The Atlantic」に語るPederson氏の言葉を、最後にご紹介しました。
Reference :The Atlantic
Licensed material used with permission by Michel Pederson