街を歩く多様な人々。「見れば見るほど、誰もが平等だと気づいたんだ」
部屋一面に、無数の人が並んでいる。コーヒー片手に歩く人、写真を撮っている旅行者、犬の散歩をしている人…。サイズは、大小さまざまだ。
これは、ロンドン在住のアーティスト、Zadok Ben-David氏による作品。街を歩く様々な人の姿が、金属で作られている。その数はなんと3,000以上。
「People I Saw But Never Met」と呼ばれる、これらのシリーズ。一体そこには、どんな意味が込められているのだろうか?
「人々の多様性や、文化を知りたかった」。
アートワークを手がけた理由を、そう振り返るZadok Ben-David氏。
人々の姿は、彼自身が道行く人の姿を写した「写真」を元に作られているという。名前も知らないたくさんの人の日常を観察するうちに、その多様性に興味を持つようになったのだ。
たしかに、まじまじと見てみると、人種や性別はもちろん。着物姿の女性などもおり、文化や地域なども、世界中の異なるバックグラウンドの人々が描かれているのがわかる。
「違うこと」は「同じこと」
彼がこの作品に込めたメッセージは、「Equality(平等)」。
「大勢の道行く人の姿を見るほどに、人間は誰もが同じような存在であると感じたんだ」
人々の多様性を描くことで、逆に誰もが同じ人間であり、そこになんら差はないということを描き出している。
世界中の人々は、誰もが違って、誰もが同じ。
見れば見るほど引き込まれてしまう人々の姿の中に、もしかしたらあなたに似た人も見つかるかもしれない。
Licensed material used with permission by Zadok Ben-David