「誰も見たことがない日本」を捉えた11の動画

どんなに見慣れた風景も、見る人が変われば別世界にーーそんな"視点の違い"を如実に表しているのが、この11の動画ではないでしょうか。

このGIFアニメをつくったNina GeometrievaさんとDamjan Cvetkov-Dimitrovさんは、どうやらかなりのSF好き夫婦。なかでも特に印象が強かったのが一つ目の動画に登場する「中銀タワーカプセルビル」だったそう。

彼らだけが知っている、もう一つの東京を覗いてみましょう。

01.

「中銀タワーカプセルビル」は、建築家の黒川紀章氏によるデザインで世界的に知られているカプセル型の集合住宅です。「メタボリズム(新陳代謝)」というコンセプトの元、一つひとつのブロックが交換できるよう設計されています。

2015年9月から「Airbnb」で宿泊ができるようになったこともあり、海外からの予約が殺到しているのだとか。

「アプリで建物が動くんだけど、かなり怖い」

なんてジョークも。

02.

日本の「路地」を撮影する観光客が多い理由はコレかも。海外でも人気が高いSFアニメ作品『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』に例えており、「草薙素子が犯人を追っているあの光景を目の当たりにできる」と紹介しています。

とても細い路地ですが、キレイに清掃が行き届いている点にも驚いたそう。壁に投影される「クモ」の文字フォントにも好みが現れていますね。

03.

"そびえ立つ巨大な石"と彼らが表現したのは、港区にある「世界貿易センタービルディング」。たしかに重く冷たい鉄の塊のような重厚感が。

04.

ぎゅうぎゅう詰めに乱立している超高層ビル郡。まさに光り輝く摩天楼です。これも海外の人々が求めている東京らしさの一つなのかも。

マンションの中をモノレールが通り抜ける仕組みにはギョッとします。

05.

よく見ると、右手にあるコインパーキングの出入口側にドローン専用の駐車場が。

東京は24時間眠らない街。買い物はアナログな方法の他に、個人に向けて空輸できるんです…なんちゃって。

06.

しばらく見ていると、右手のビルの部屋が縦に移動しているのがわかります。どうやら、部屋が地下へと移動して徐々に入れ替わっていく仕組みに。

07.

残念ながら、先に紹介したカプセルのように交換というわけにはいきませんが、景色を眺めるためにちょっとだけ部屋が外に飛び出る仕様になっています。

部屋の中も十分快適ですが、外観だけでも満足できる、と彼らはコメント。

08.

真っ白で管理の行き届いた誰もいない宿泊施設。エントランスでさえ人の姿が見られず不思議な空間が広がっている、と想像を膨らませます。

どんなからくりがあるのか、右手の窓から飛び出ている配線に何か秘密があるのかも…。

09.

大都市を包む灰色の空気。建物の色を染めて地上との境界線を消しているため、"無限の高さ"を感じるのだとか。

ところどころに感じられる動画への遊び心が、無機質なもう一つの東京を演出しています。

撮影したNina Geometrievaさんはこんなことを話してくれました。

「今では日本好きの外国人は珍しくなくなりました。でも、私たち夫婦はこの国を本当に愛していて、一般的な観光客があまり好まないような部分まで大好きなんです。多くの人に、こんな視点があるんだってことを知って欲しかったので、いい機会だと思っています」

作品は「Medium」に投稿され話題になったもの。斬新な視点とぼんやりと暗い不思議な世界観にはつい目が奪われちゃいますね。

Licensed material used with permission by Nina Geometrieva
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。