授業に「ガーデニング」を取り入れた米小学校。有機野菜を生徒全員で!

食を通じて健康や文化、自分の暮らす地域を知る。近年、“食育”を通して、食の重要性を子どもに伝える授業が注目されています。ここで紹介するのはアメリカの例ですが、この学校が特徴的なのは、授業の一貫として有機野菜を育てる年間プログラムを実施していること。種まきから収穫まで、すべてが生徒の手によるものなんだとか。

“生きた教材”で
食育を体現する小学生

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米マサチューセッツ州ケープコッドにある「シュタイナー教育」を実践するこの学校には、生徒たちのためのビニールハウスがあります。種撒きから収穫まで、すべては生徒たちの仕事。もちろん、日々の水やりや害虫駆除も分担して行っているそうです。
子どものうちから、自由な意思決定ができる人間形成を教育理念に掲げるシュタイナー教育では、カリキュラムや授業内容も公立学校とは異なり、独特の芸術教育が実施されることでも知られています。つまり、幼い子どもたちにとってガーデニングは芸術表現のひとつなのです。

ビニールハウスも土壌も
生徒が手作り!?

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生徒たちの自主性を伸ばす授業の一貫として、有機園芸プログラムを取り入れました。14メートル×7メートルのビニールハウスは、生徒も手伝ってすべて手作りで仕上げました。ハウス内では、ニンジン、ほうれん草、ケール、パセリ、チャイブにイチゴなど、四季折々、旬のオーガニック野菜を育てています。食品として口に入るまでのすべての工程を自分たちで実際に行う。農作物が生長する過程を観察し体内に摂り入れるプロセスを通して、生徒一人ひとりに食育を現場レベルで体感させるのが学校側の狙いです。

「植物と同じように子どもたちも成長していくのがよく分かります。収穫した野菜はもちろん、ランチメニューに取り入れています。自分が手塩にかけて育てた野菜だから、いっそう美味しく感じると生徒たちからも好評です」

一昔前まで、農家の子どもたちはみな農作業の手伝いを通して熟れたトマトの見分け方を学んだものだと語るのは、園芸の授業を担当するKim Allsup先生。この園芸プログラムを通して、自分で育て、それを収穫する楽しみの先に、自給自足の生活の魅力も感じて欲しいという願いもあるようです。

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小中一貫教育のこの学校、農作業を従事するのはもっぱら小学生のようですが、なかでも毎年5年生が生徒代表となってビニールハウスを切り盛りします。ランチに使った野菜くずは、すべてコンポストで微生物分解し堆肥として再利用するというこだわりよう。
自分たちで育てあげる生きた教材。食育を体現するこの園芸プログラムは、生徒たちにも大人気というのも頷けますね。

Licensed material used with permission by Growing Children

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