不満と迷いが消える。ポジティブな人間関係をつくるための「6つの考え方」
多くの人にとって、20代、30代の頃の悩みのひとつに、「上司との関係」が挙げられるのではないでしょうか。ただし、それだけに限らず、「人間関係」はしばしば悩みの種になりがちです。どうしたら穏やかで気持ちの良い関係性を築いていけるのでしょうか。自著『真夜中の幸福論』より、僕なりの解決法を6つ紹介しましょう。
01.
相手の合理性を理解する
会社で上司との関係に悩んでいる人がよく言うのが「上司が不条理で理不尽なことばかり言ってくる」ということです。こういうときに大切なのは、「人間の合理性というものは、人の数だけある」ということを理解しておくことです。
しかも、それは同じ人間の中においても普遍ではなくて、昨日の「わたし」の合理性と、今日の「わたし」の合理性が違っていたりするのです。
自分の判断基準に合わないと思考を停止してしまうのではなく、「なぜあの上司は自分にこういうことを言ってくるのだろうか」と、少し冷静に相手の立場を考えてみる。すると、相手の行動の背後にある動機がわかってきます。
02.
周りの変化を受け入れ、
不安にとらわれない
くれぐれも忘れてはいけないのが「人はみな、気まぐれだ」ということです。自分を振り返ってみればわかるでしょう。自分も相手も世の中も何もかもが変化していきます。
その流れは誰にも止めることはできません。それを受け入れていく気持ちを持つと、周囲や自分の感情に振り回されることがなくなります。
とはいえ、理想を語るのは簡単ですが、実際はかなり難しい。僕自身、なかなかこの境地に至れません。しかし、日々の省察を通じて、それに近づいている感覚はあります。おそらく、それは死ぬその最後の瞬間まで意識的に続けていくべきなのでしょう。
03.
「10」差し出したから、
「5」返ってくると思わない
人間関係をつくるときに大事なのは、「この人は自分に何を与えてくれるんだろう?」という期待を一切しないことです。何かしてあげたときに「ぼくは相手に10を差し出したんだから、5でも10でもお返しをもらわなければいけない」という考えがあると、ある瞬間から自分の中に妬みや怒りが生まれてきて、自分を苦しめます。
その代わり、相手に10あげることができたことそのものに「僕はあなたのために力を使うことができて、こんなにも嬉しい気持ちになった」という形で気持ちを完結させておくのです。そうすれば、相手が1や2くらいを返してくれたときに、それだけで、ものすごく嬉しくなることができます。
04.
相手との関係は
「一対一」で考える
僕たちは普段、知らず知らずのうちに、人を年代や年齢、職業などでカテゴライズし、偏見の中で判断しがちです。けれども、職業や年齢で分類できるほど、人間の内面はシンプルではありません。そもそも人間は内側に、文類し得ない深遠なるカオスをかかえているのです。
ある人間と人間が出会ったら、その組み合わせは長い歴史の中で、そしてこの世界で唯一無二のもの。その希少性を考えれば、カテゴライズしたうえで人間関係を築くというのが、いかに貧しいことがおわかりでしょう。誰かと会ったときは、周りの評判とは関係なく、自分の眼でその人を見つめるのが大切です。
05.
自分を「水」のような
存在だと考える
提案したいのは、自分というものを「水」のようなものだととらえてみることです。自分を「私はネガティブな性格だ」などと、固定されているものとしてとらえている人が多いと思うからです。
しかし、人間というものは内面的には「一瞬で変わる」と僕は思っています。なぜなら、現在の自分は過去における無数の「選択」の結果でつくられているから。その選択の背後にある「判断基準」を変えれば、それまでとは全く異なる選択をするようになり、それによってつくられる未来の自分は変わるはずです。
06.
ポジティブなオーラを発する
うまくいっていないとき、不満があるときというのは、どうしても同じような不満や迷いを持っている人たちとつながりがち。そしてネガティブスパイラルが始まります。だから、あなたからポジティブなオーラを発するのです。そうすれば、同じような空気を持った人が自然に集まってきます。
見返りを期待せず「この人のために自分のポジティブなオーラを使おう」と思って行動を続けていくと、周りの人との間に微笑ましく暖かい信頼関係が生まれてきます。
利害関係にかかわらずお互いに信頼し合える人間関係をつくりあげていくうえで、これらはとても大事なことだと思います。
『真夜中の幸福論』
コンテンツ提供元:ジョン・キム