12年前の今日。世界が変わった。2004年 2月4日 ザッカーバーグ Facebookを開設
2004年2月4日創業。今やSNSの代名詞とも言えるFacebookは、この12年間で世界を変えたと言っても過言ではありません。国境を越えた友情を演出し、ネットビジネスに新風を吹き込み、本物の革命が起こるきっかけにもなった・・・。そんなFacebookのこれまでを振り返り、これからを展望してみましょう。
Facebook創業秘話
きっかけはザッカーバーグの悪ふざけ?
今やソーシャルネットワークの顔ともいえるFacebook。しかしその原型となったのは、まだハーバード大学の学生だったころの、マーク・ザッカーバーグの悪ふざけだったことを知っていますか?
彼はまず、学内ネットワーキングサイトをハッキングし、大勢の女子学生の証明写真を取得しました。そして女子学生の顔写真を2枚同時に並べてどちらがかわいいか投票させ、勝ち抜き戦をする「Facemash」というゲームを作成したのです。ハッキングされたハーバード大学側は、これに激怒。ザッカーバーグは半年間の保護観察処分を受けるに至りました。
ところが、転んでもタダでは起きないのが天才。その後Facemashのアイディアを応用し、2004年2月4日ハーバード大学内の交流サイト「Thefacebook」を作成。これがアメリカ東海岸の名門大学、いわゆるアイビー・リーグの学生間で話題になり、その後あっという間に全米の大学生の間に広まったのです。2006年9月に一般公開され、全世界の人が利用可能に。ここからFacebookの勢いは更に加速していきました。
世界全人口の5分の1が利用者
2015年夏時点での調査によると、Facebookのデイリーアクティブユーザー(毎日アカウントにアクセスする人)は10億人を超え、月間アクティブユーザー(1ヶ月のうちに1度でもアクセスする人)は14億4,000万人にも上ります。世界の全人口がおよそ70億人と言われていることから、単純計算で5人に1人以上がFacebookを使用していることになります。なんだか途方もない数ですよね。
ちなみに一部の国では、Facebookなどの国際SNS利用を禁止しています。中国もそのひとつですが、その人口はFacebookとほぼ同じ14億人。中国人がFacebookを使えない(奥の手もあるようですが)とすると、Facebookを利用できる環境にある人は世界で56億人。そのうちの14億人、4人に1人が自主的に使っているんです。
その他のメジャーなSNS、TwitterやInstagramの月間アクティブユーザー数が3億人前後であることを考えると、Facebookの利用者数と影響力の強さがどれほど大きいか、感覚が掴めるかもしれません。
Facebookの誕生で
私たちの日常はどう変わったのか?
それほど大きな影響力があるFacebookは、わたしたちの日常を具体的にどう変えたのでしょう?現在のFacebookは写真をメインに、ライフイベントや友達との交流、旅行先での出来事など、アクティビティを楽しく見せるSNSとして確立されています。
タイムラインの写真は大勢が見るのだから、きれいに、かっこよく写りたい…という願望がそうさせるのか、Facebookの登場以来、デジカメや携帯のセルフィー機能が格段に進化したように思えます。
また、「イベント作成機能」のおかげで、個人でも格段にイベントやパーティーを企画しやすくなりました。まったく知らない人同士が共通の知人や趣味を通じて気軽に交流できるようになり、とたんに世界が広がった人も多いかもしれません。のこの機能は、meet upやInternationなどのイベント企画サービス専門サイトの誕生にも貢献したという見方もできます。
マーケティング予算が限られている小規模ビジネスが、Facebookに自社紹介ページを作れるようになったことで、ネット上での口コミ効果でビジネスを拡大できた、という声もあります。
個人が別の個人と軽々繋がれることで、ひとりのパワーが2倍にも3倍にもなる。それが、Facebookがわたしたちの日常にもたらしてくれた恩恵と言えるかもしれません。
Facebook革命と呼ばれる
社会運動も登場
2010年12月、チュニジアの地方都市で青年が焼身自殺しました。彼は路上で野菜を売っていたのですが、警察による度重なる摘発で生活が苦しさを極め、抗議と絶望にかられての行動だったようです。一人の青年の死が、同じように貧困に苦しむ数千人のデモに繋がり、デモはチュニジア全土に拡大。ついには2011年、民衆は体制側に長期独裁政権の更迭を迫り、大統領の亡命という形で革命を達成しました。
「ジャスミン革命」と呼ばれるこの運動で、若者の情報共有を支えていたもののひとつが、他でもないFacebookだったのです。同じく2011年、ジャスミン革命に触発され、エジプトでも100万人規模のデモが起こり、大統領を更迭する革命に繋がりました。ここでも情報交換の役割を果たすツールに。こうした流れはイスラム諸国にも影響を与え、一連の運動は「アラブの春」という名称とともに「Facebook革命」と呼ばれることも。ソーシャルメディアが国の運命を変えた、劇的な瞬間と捉えられていたようです。
これからのFacebookが目指す場所
個人の生活を変え、ビジネス形態を変え、政治にまで影響を及ぼす。すでに巨大な力を持つFacebookは、これから何を目指していくのでしょうか?
創業者でCEOのザッカーバーグの答えは単純明快。彼は2015年11月にFast Companyのインタビューに応じ、Facebookのミッションを「世界中のすべての人に共有する力を与え、世界をよりオープンでつながったものにすること」だと述べました。今でも十分達成できているように見えるこのミッションを、さらに強化していくこと。それが創業当時からブレないザッカーバーグの信念なのかもしれません。
ザッカーバーグが言うように、Facebookが個人にパワーを与えることで、個人もますます信頼を寄せていく。このWin-Winの関係が続く限り、勢いを増し続けるのかもしれませんね。